整形外科のアウトカム一覧のダウンロードはこちら

上腕骨外側上顆炎に横断マッサージは有効か

スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトル

Deep Friction Massage Versus Steroid Injection in the Treatment of Lateral Epicondylitis

PubMed PMCID:  PMC5755866

目的

本研究の目的は上腕骨外側上顆炎に対する深部横断マッサージ(Deep Friction Massage)が有効かを検証します.私たちは深部横断マッサージにより局所的な炎症を刺激して、損傷の治癒過程を促進するのではと仮説しています.今回の研究では3つの異なった保存療法を比較します.

方法

取り込み基準
①少なくとも6週間外側上顆炎に一致する痛みや症状がある
②18歳以上
③肘伸展、前腕回内で手関節背屈に抵抗をかけて痛みを誘発する

除外基準
①神経絞扼性障害
②頚椎症性神経根症
③6週間未満の症状
④過去、肘関節に外傷や手術歴がない

研究デザイン

患者はランダムに以下の3つ群に割り当てられた.


グループ①
手首のスプリント(6週間)+ストレッチ
グループ②
ステロイド注射+手首のスプリント(3~5日)+ストレッチ
グループ③
ステロイド注射+手首のスプリント(3~5日)+深部横断マッサージ

アウトカム

以下のアウトカムをベースラインと6週間と6カ月でフォローアップした.


Primary outcome:VAS

Secondary outcome:Disabilities of the Arm, Shoulder and Hand (DASH) 、握力

結果

6週間時点のアウトカム
VASは全ての群で優位に改善.
DASHスコアと握力はグループ②と③のみ優位に改善.

6カ月時点のアウトカム
VASはグループ③の横断マッサージ群のみ優位に改善.
DASHスコアと握力も同様に横断マッサージ群のみ優位に改善.

考察

本研究の結果は深部横断マッサージは6カ月のフォローアップで持続的な効果を示したが、手関節のスプリントと注射は即時的な効果のみを示す結果となった.
本研究の強みは前向きにランダム化された3群間の比較研究だが、サンプルサイズの少なさやフォローアップ期間の短さは課題であった.また、スプリング群における装具装着のコンプライアンスは不明のため使用率は不明確であった.

解説

上腕骨外側上顆炎に対する深部横断マッサージに対する効果を紹介しました.
短期的にも中期的にも痛みの改善に繋がる可能性が示されています.

詳細に関してはリンクを貼っているので論文を参照してください.

コメント