臨床で働いていると、膝関節術後で内側広筋の筋力が不十分な症例を担当した
経験があるのではないでしょうか?
そこで大腿四頭筋セッティングなど内側広筋のトレーニングを
実施してると思います。
そこで今回は内側広筋の筋力トレーニングを効果的に鍛える方法を
論文を踏まえて紹介したいと思います。
今回の記事を通して今後の臨床に役立てて貰えたらと思います。
内側広筋の役割
そもそも内側広筋はどのような役割があるのでしょうか。
大腿四頭筋の一つであるため膝関節の安定性の役割があります。
また、外側広筋とバランス良く働くことで膝蓋骨をスムーズに引き上げる
作用があります。
そのため、内側広筋が十分に機能しない場合は膝蓋骨が外側に偏位するため
膝蓋骨のトラッキングの異常に繋がりやすくなります。
要するに内側広筋は膝関節機能に欠かせない働きをしてくれています。
内側広筋の鍛え方
OKCとCKCではどちらが効果的か
端坐位で膝を伸展させた場合とスクワットではどちらが内側広筋に
筋活動が得られるのでしょうか。
2018年 Chen Sらの研究によるは
膝蓋大腿痛症候群(Patellofemoral pain syndrome:PFPS)を対象に4つのトレーニングから
内側広筋、外側広筋、中殿筋の筋活動を測り、どのトレーニングが優位に活動したかを
検証した研究です。
A:股関節外転
B:股関節内旋
C:膝関節伸展(OKC)
D:スクワット(CKC)
ここで注目してもらいたい点は
CKCとOKCでどちらが内側広筋の筋活動が高いかという点です。
結果としては写真のDであるスクワット(CKC)の方が写真のC(OKC)より
筋活動が高い結果となりました。
要するに
CKCの方がOKCより内側広筋の活動が高くなりやすい
という結果になっています。
スクワットに内転筋収縮を入れると効果的!
2016年Hee-won Jeongらの研究は
健常人を対象にスクワット角度の違いとボールを挟んだ状態(内転筋に収縮を促す)
で筋電図測定で内側広筋と外側広筋の筋発揮の違いを検証した研究です。
上の写真のようにボールを挟んだ姿勢で股関節45°屈曲位と90°屈曲位で
内側広筋と外側広筋の筋電図を比較します。
結果としてはボールを挟んだ状態でスクワットをした方が
股関節 45°、90°ともに外側広筋と比べ内側広筋に優位な筋活動が得られました。
この研究からスクワットを行う際は
ボールを挟んだ状態で実施した方がが内側広筋に筋活動が
得られやすいことがわかると思います。
まとめ
内側広筋を選択的に鍛えたい場合は
スクワットで内転筋収縮を伴った方法が有効であることが
以上の論文から分かりました。
術後で荷重時痛がある症例などはOKC運動で負担をかけないように
配慮する必要があると思いますが、CKC運動が可能な症例であれば
スクワットを取り入れた方が良いと思います。
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