シュラグサイン(Shrug Sign)の原因は?スポンサーリンク 2020.12.21スポンサーリンクタイトルClinical evaluation of the shoulder shrug signPMCID: PMC2565053 DOI: 10.1007/s11999-008-0331-3目的シュラグサインとは肩を90°挙上する際に肩甲骨が挙上する、肩すくめ徴候である.シュラグサインは腱板断裂と関係していると報告されている.しかし、筆者の臨床経験に基づくと、シュラグサインは腱板損傷の診断徴候ではなく、可動域や筋力と関連していると仮定している.今回の研究の目的はシュラグサインを使用して以下の仮説を検証することである.①腱板損傷に対しては感度が低い②シュラグサイン陽性の人は可動域や筋力低下が関与している研究デザイン前向きコホート研究方法取り込み基準将来的に肩の手術が必要な患者手術の4週間以内に全ての患者の基本情報や身体検査を行った.また、患者の主訴(安静時痛、夜間時痛、運動時痛、挙上時痛、その他)をVASを使用して評価した.研究方法全ての患者の左右の肩関節を検査した.・自動・他動の関節可動域・MMT・上肢の神経学的検査・他の整形外科テスト Neer impingement sign Kennedy-Hawkins impingement sign Gagey sign(下方の関節包の拘縮を評価)シュラグサインの検査方法検査者は患者に左右の肩関節を外転するように声かける.陽性判定は90°外転時に肩甲帯または肩が全体的に挙上した場合に陽性.診断方法最終診断は手術前のレントゲン画像や術中所見で確定とした.結果シュラグサインが陽性の患者は982人中504人(51.3%)であった.シュラグサイン陽性患者で最も関連があった診断は癒着性関節包炎(94.7%)、肩関節炎(OA、リウマチ、骨頭壊死) 90.5%広範囲の腱板損傷(74.5%)、完全腱板損傷(62.1%)評価精度は以下の図を参照癒着性関節包炎の陽性尤度比 1.877肩関節炎(OA、リウマチ、骨頭壊死)の陽性尤度比 2.097広範囲の腱板損傷の陽性尤度比 1.485シュラグサイン陽性患者と肩関節検査の相関に関してはこちらの図を参照外転と外旋の筋力低下に加えてdrop-arm signが陽性の場合はオッズ比が32.634.外転の筋力低下、年齢、夜間時痛、外旋の自動・他動可動域もオッズ比が他の因子と比較して高い結果となった.解説今回は手術する肩関節患者を対象にシュラグサイン陽性と陰性に分けて診断や可動域・筋力などの肩の状態を検査することでシュラグサイン陽性と相関がある因子を特定した観察研究です.筆者の結論としては可動域と筋力の低下が関係しているのではとしています.また、従来では腱板損傷がシュラグサイン陽性に関わるという研究がありましたが本研究では癒着性関節包炎、肩関節炎、広範囲の腱板損傷がシュラグサイン陽性と関係していると結論づけています.今後、臨床でシュラグサイン陽性の症例を担当した場合は外転や外旋の筋力低下、屈曲・外転・外旋の可動域を確認してみてもいいかもしれません.シュラグサインの多くは肩関節拘縮が深く関与していきます。臨床で関節拘縮の改善に困っている方はオンラインセミナーである赤羽根 良和 先生の「肩関節拘縮の見方と運動療法」がとても参考なると思います。リハビリ職種におすすめ【オンラインセミナー リハノメ】こんにちは。理学療法士のnaoyaです。日々患者さんを治療していると様々な悩み・疑問点が生まれてくるかと思います。そんな時、職場の先輩に聞いたり、インターネットで論文を調べたりなどして解決している方も多いのではないでしょうか。
コメント