こんにちは!
運動器認定理学療法士のnaoyaです。
今回は認定理学療法試験の合格者である私が症例報告をどのように書いたのか
参考してしてもらえたらと思います。
認定理学療法士の受験条件に症例報告(10症例)を提出する必要があります。
しかし、その中身に関しては特別指定はないのでどのように症例報告を書けば
合格するのかとても不安になる方も多いのではないでしょうか。
その不安を少しでも解消してもらうために、実際に私が提出した症例報告を紹介
したいと思います。
参考にしてもらえたらと思います。
症例報告のフォーマットを確認しよう
こちらが2021年度版の症例報告のフォーマットとなっています。
ちなみに私が受験した2019年のフォーマットと少し変更となっています。
![](https://rehabilitation01.com/wp-content/uploads/2021/07/image.png)
不適切な症例報告とは何か
・症例報告の内容が自分が選択した領域(運動器、脳卒中、徒手など)に適していない
要するに運動器で申請するならそれに適した症例報告をしないとダメです。
・文字数が足りないまたは多すぎている。
協会が指定している文字数は1000~1200文字としています。
なるべく指定された文字数で提出しましょう。
・古いフォーマットを使っている
フォーマットを変更している場合があるので、理学療法協会のホームページに掲載
されている最新のフォーマットをダウンロードして使いましょう。
・診断名に右/左を記載していない。
診断名には左変形性膝関節症や右肩関節周囲炎など右/左を忘れずに記載しましょう。
・統合と解釈が出来ていない
基礎情報、初期評価、活動制限などから統合性のある・一貫性のある問題点を
リストアップしましょう。
・専門用語を使えていない
普段、参考書や論文を日常的に読んでいる方なら問題ないと思いますが
勉強不足の方は文章の言い回しが不自然となりやすいです。
これに関しては自分で気づけないと思いますので同僚の理学療法士にチェック
してもらうことをお勧めします。
症例報告の書き方
病歴
病歴には現病歴、既往歴、発症前・受傷前生活、リハビリ開始までの流れを記載します。
病歴に関しては読み手を意識して全体像が分かるように記載しましょう。
開始時評価
評価した項目とその内容を記載しましょう。
客観的な評価内容とするために数値などを積極的に使用しましょう。
以下に評価項目を挙げていますので参考にしてみて下さい。
【疼痛】 【炎症所見】 【関節可動域】 【筋力】 【感覚】
【反射】 【バランス能力】【姿勢アライメント】 【ADL】など
また、個人的に意識していたことは各関節のアウトカムを加えました。
変形性膝関節症であれば変形性膝関節症患者機能評価尺度:JCOMを使う
肩関節周囲炎であれば上肢障害評価表:DASHを使う
開始時と終了時でどの程度スコアが改善したのかを明確にすることで
理学療法によっての改善度を客観的に示すことが可能となります。
各関節のアウトカムに関してはこの記事に詳細がありますので参考
にしてみて下さい。
開始時の問題点抽出・目標設定
初期評価から得られた問題点と短期・長期の目標を記載しましょう。
以下に目標設定の参考例を挙げてみました。
短期目標
股関節周囲の筋力改善、バランス能力改善、姿勢アライメント改善、
荷重時痛の改善、歩行耐久性改善 など
長期目標
正常歩行獲得、自宅復帰、職場復帰、スポーツ復帰
趣味活動獲得、ADL・IADL(洗体、衣類着脱、家事など)の獲得 など
開始時の治療プログラムと経過
問題点改善や目標達成のための理学療法プログラムやその経過を記載しましょう。
以下に参考例を挙げてみました。
介入当初は○○○○の機能障害によって○○○○の活動制限を呈していた。
よって、機能障害を改善させるための関節可動域訓練や筋力トレーニング
を実施した。
関節可動域の制限因子として○○○○筋や○○○○筋が要因であると仮説を立てて
○○○○筋に対して反復収縮訓練を用いたリラクゼーションや軟部組織モビライゼーション
を実施した。
逃避性跛行に対して単関節筋の筋力トレーニングや鏡を用いた視覚的フィードバック
を通して正常歩行獲得に向けて取り組んだ。
などなど
終了時評価
開始時の評価と比較して、理学療法終了時に機能障害がどこまで改善したのかを
記載しましょう。
基本的には開始時の評価項目と同様の項目に対して記載しましょう。
考察
症例を担当してから理学療法が終了するまでの過程を通して
考察を交えながら記載しましょう。
私が意識して記載したことを参考にしてみて下さい。
・どのような仮説のもと理学療法を行ったのか
・最終的に痛みの要因は何が問題で、なぜ痛みが改善したのか
・最終的に長期ゴールが達成されたのか
・文献的にはどのような知見が得られているのか
・どのような事に着目して・または難渋して理学療法を行ったのか
実際に協会に提出した症例(テンプレートの紹介)
個人情報の観点から個人が特定できないよう配慮しています。
注意点として私が受験した資格は2019年であり、フォーマットが変更
されているためご了承ください。
![](https://rehabilitation01.com/wp-content/uploads/2021/07/image-1.png)
合格証明書
念のため合格証明書を添付しました。
(本当に合格しているのか不信感がある方もいると思うで)
![](https://rehabilitation01.com/wp-content/uploads/2021/07/image-3.png)
まとめ
今回は症例報告をどのように記載すれば良いのか
参考例を用いながら説明しました。
重要なことは、「読み手を意識して記載する」ことでより分かりやすく
伝わりやすい症例報告となります。
また、近年ではエビデンスに基づいた理学療法が重要であると言われています。
よって、いくつかの症例には論文に基づいた理学療法を提供している点を
意識することでより客観性が強調されると思います。
ぜひ参考にしてみて下さい!
コメント