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非特異的腰痛に対する理学療法【マッケンジーvs徒手療法vsアドバイス】

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タイトル

Orthopaedic manual therapy, McKenzie method or advice only for low back pain in working adults: a randomized controlled trial with one year follow-up

DOI: 10.2340/16501977-0262

研究デザイン

ランダム化比較試験

目的

腰痛に対する保存療法の有効性は多く報告されているが
マッケンジー法と徒手療法とアドバイスのみを比較した研究はない.
そこで本研究の目的は3つの治療法を比較して痛みや能力障害への効果を
検証することである.

方法

取り込み基準
①18~65歳
②急性~慢性腰痛
③両側または片側の放散痛を伴うまたは伴わない腰痛

除外基準
①妊婦
②脊椎手術歴
③red flagsに含まれる腰痛

研究方法

134名の患者がランダムに3つのグループに割り当てられた.

 Group 1
 徒手療法グループ
 (Orthopaedic manual therapy)

 Group 2
 マッケンジー法
グループ
 (McKenzie method)

 Group 3
 アドバイス単独グループ
 (Advice only)

 

患者の基本情報は以下を参照

徒手療法グループ

徒手療法グループに割り当てられた参加者は以下のプログラムを実施.

・脊椎マニュプレーション・脊椎モビライゼーション
 胸腰椎や仙腸関節に対して低強度から高強度のマニュプレーションまたは
 モビライゼーションを実施.

・ストレッチング

・ホームエクササイズ指導
 セルフでの腰椎モビライゼーション、ストレッチング、脊椎安定化エクササイズ

※治療は3~7回(平均6回)行われた.

マッケンジー法グループ

マッケンジー法に割り当てられた参加者は
マッケンジー法に基づいて患者を分類して治療を進めた.

※治療は3~7回(平均6回)行われた.

アドバイス単独グループ

アドバイス単独グループに割り当てられた参加者は
45~60分の理学療法による生活指導が行われた.

生活指導の内容はベッドでの休息は控えて、可能な限り通常の生活を維持するように
また、症状が悪化した際は連絡をするように指導された.

アウトカム

以下のアウトカムを開始時、3カ月6カ月1年で測定した.

  • 痛み:腰部、下肢
  • 能力障害:Roland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)
結果

痛み:腰部、下肢

3カ月時点では全てのグループで優位な改善を示したが
群間で比較すると優位差はなし.

6カ月、1年時点では
マッケンジー法と徒手療法グループの方がアドバイス単独グループより
優位な改善を示した.

能力障害:Roland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)

3カ月時点では全てのグループで優位な改善を示したが
群間で比較すると優位差はなし.

6カ月、1年時点では
マッケンジー法と徒手療法グループの方がアドバイス単独グループより
優位な改善を示した.

解説

今回は神経症状の有無に関わらない非特異的な腰痛に対して
マッケンジー法、徒手療法、アドバイスの3つの治療を
比較検証した論文を紹介しました.

結果としては
アドバイスよりは徒手療法またはマッケンジー法の方が
中期、長期的に痛みや能力障害が改善することが示されました.

また、マッケンジー法と徒手療法では同様の効果である
ことが分かりました.

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