Orthopaedic manual therapy, McKenzie method or advice only for low back pain in working adults: a randomized controlled trial with one year follow-up
ランダム化比較試験
腰痛に対する保存療法の有効性は多く報告されているが
マッケンジー法と徒手療法とアドバイスのみを比較した研究はない.
そこで本研究の目的は3つの治療法を比較して痛みや能力障害への効果を
検証することである.
取り込み基準
①18~65歳
②急性~慢性腰痛
③両側または片側の放散痛を伴うまたは伴わない腰痛
除外基準
①妊婦
②脊椎手術歴
③red flagsに含まれる腰痛
134名の患者がランダムに3つのグループに割り当てられた.
Group 1
徒手療法グループ
(Orthopaedic manual therapy)
Group 2
マッケンジー法グループ
(McKenzie method)
Group 3
アドバイス単独グループ
(Advice only)

患者の基本情報は以下を参照

徒手療法グループに割り当てられた参加者は以下のプログラムを実施.
・脊椎マニュプレーション・脊椎モビライゼーション
胸腰椎や仙腸関節に対して低強度から高強度のマニュプレーションまたは
モビライゼーションを実施.
・ストレッチング
・ホームエクササイズ指導
セルフでの腰椎モビライゼーション、ストレッチング、脊椎安定化エクササイズ
※治療は3~7回(平均6回)行われた.
マッケンジー法に割り当てられた参加者は
マッケンジー法に基づいて患者を分類して治療を進めた.
※治療は3~7回(平均6回)行われた.
アドバイス単独グループに割り当てられた参加者は
45~60分の理学療法による生活指導が行われた.
生活指導の内容はベッドでの休息は控えて、可能な限り通常の生活を維持するように
また、症状が悪化した際は連絡をするように指導された.
以下のアウトカムを開始時、3カ月、6カ月、1年で測定した.
- 痛み:腰部、下肢
- 能力障害:Roland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)

痛み:腰部、下肢
3カ月時点では全てのグループで優位な改善を示したが
群間で比較すると優位差はなし.
6カ月、1年時点では
マッケンジー法と徒手療法グループの方がアドバイス単独グループより
優位な改善を示した.

能力障害:Roland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)
3カ月時点では全てのグループで優位な改善を示したが
群間で比較すると優位差はなし.
6カ月、1年時点では
マッケンジー法と徒手療法グループの方がアドバイス単独グループより
優位な改善を示した.

今回は神経症状の有無に関わらない非特異的な腰痛に対して
マッケンジー法、徒手療法、アドバイスの3つの治療を
比較検証した論文を紹介しました.
結果としては
アドバイスよりは徒手療法またはマッケンジー法の方が
中期、長期的に痛みや能力障害が改善することが示されました.
また、マッケンジー法と徒手療法では同様の効果である
ことが分かりました.

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