Comparison between effectiveness of mechanical and manual traction combined with mobilization and exercise therapy in patients with Cervical Radiculopathy
PMCID: PMC4795884
ランダム化比較試験
頚椎症性神経根症は一般的に痛みや能力障害を及ぼす.
治療法としては薬剤、理学療法、手術が一般的である.
保存療法の一つである徒手療法は運動療法と併用することで
痛みや機能障害の改善に効果が期待できる.
また、頸椎牽引とエクササイズの併用も同様に痛みや機能障害の改善に
有効であることが報告されている.
頸椎牽引の有効性は示されているが徒手牽引と機械的牽引を比較した
報告はない.
そこで本研究の目的は頸椎モビライゼーションとエクササイズに加えて
徒手牽引と機械的牽引による効果を検証することである.
取り込み基準
①頚椎症性神経根症の症状がある
②20~70歳
除外基準
①外傷
②神経症状が伴わない頸部痛
36名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.
グループA
機械的牽引+頸椎モビライゼーション+エクササイズ グループ
グループB
徒手牽引+頸椎モビライゼーション+エクササイズ グループ
グループAは以下の治療を週3回を6週間実施
・機械的牽引
機械的牽引の方法は
10秒牽引、5秒休止を10分間実施.
牽引力は体重の10~15%とした.
・頸椎モビライゼーション
患者は腹臥位となり、治療者はC3~C7を後方から前方へのグライド
central posterior anterior (CPA) glide
・エクササイズ
自動運動、ストレッチ、等尺性運動
グループBは以下の治療を週3回を6週間実施
・徒手牽引
徒手牽引の方法は
頸部軽度屈曲位で10秒牽引、5秒休止を10分間実施.
・頸椎モビライゼーション
患者は腹臥位となり、治療者はC3~C7を後方から前方へのグライド
central posterior anterior (CPA) glide
・エクササイズ
自動運動、ストレッチ、等尺性運動
以下のアウトカムを開始時、6週後(介入後)で測定した.
- 疼痛:NRS
- 機能:Neck Disability Index (NDI)

疼痛:NRS
機械的牽引グループ:介入前 6.26 介入後 1.43
徒手牽引グループ:介入前 6.80 介入後 3.85
両グループともに痛みは優位に改善を示したが
機械的牽引グループの方が改善度は高い傾向であった.
機能:Neck Disability Index (NDI)
両グループともに優位な改善を示したが
機械的牽引グループの方が改善度が高った.
今回は頚椎症性神経根症の患者に対して
機械的牽引と徒手牽引による効果の違いを検証した論文を紹介しました.
結果としては
機械を使用した牽引の方が痛みと機能障害の改善は高い傾向
があることが分かりました.
論文の著者は考察で
機械を使用した方が牽引力が一定であるため効果が高いのではと
述べています.

コメント