EFFECTIVENESS OF MOVEMENT WITH MOBILIZATION IN
ADHESIVE CAPSULITIS OF SHOULDER: RANDOMIZED CONTROLLED TRIAL
ランダム化比較試験
本研究の目的は肩関節周囲炎の患者に対してマリガンコンセプトに基づく
mobilization with movement (MWM) 手技と従来の監督下での理学療法
とを比較して可動域や肩関節機能への影響を検証することである.
取り込み基準
①肩関節周囲炎の診断
②40~70歳
③3~4カ月間の可動域制限
除外基準
①骨折、外傷
②関節包の手術後
③ステロイドまたはNSAIDの服用
30名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.
マリガンコンセプト手技+エクササイズ グループ
(Movement With Mobilization and supervised exercises)
エクササイズ グループ
(supervised exercises)
・屈曲または外転
患者は座位となり治療者はマリガンベルトを患者の腰から上腕骨頭にかけて装着する.
その状態で屈曲または外転方向に痛みのない範囲で自動運動を促す.
その際に治療者は上腕骨を後外側へのグライドを誘導する.
・内旋
患者は座位となり制限のある側の肩を結帯方向に位置させる.
治療は一側の手で上腕骨下方滑り、もう片方の手で肩関節外転方向に自動運動を促す.

※治療は1週間実施.
コントロールグループは関節モビライゼーションは行わずに
エクササイズのみを実施した.
※エクササイズの詳細は記載なし
※治療は1週間実施.
以下のアウトカムを開始時、1週後(介入後)で測定した.
- 可動域:屈曲、伸展、外転、外旋、内旋
- 疼痛:NRS
- 機能:shoulder pain and disability index(SPADI)
可動域
マリガン手技(MWM)のグループは全ての方向の可動域が優位に改善した.
コントロールグループは内旋以外は優位に改善を示した.

痛み:NRS
両グループともに痛みは優位に改善を示した.

機能:shoulder pain and disability index(SPADI)
両グループともに機能は優位な改善を示した.

今回は肩関節周囲炎の患者に対してのマリガン手技の有効性を
検証した論文を紹介しました.
結果としては
内旋可動域のみマリガン手技(MWM)を用いたグループの方が優位な改善を示しました.
しかし、治療期間は1週間であり、フォローアップ期間がないため
長期的な効果は不明となっています.
また、その他の可動域、機能、痛みに関しては両グループでの
優位差は認められませんでした.
まとめると、
短期的には内旋可動域の改善に良好な結果を示すことが分かりました.

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