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変形性膝関節症に対する理学療法【患者教育+自主トレvs患者教育のみ】

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タイトル

The effects of a home-based exercise intervention on elderly patients with knee osteoarthritis: a quasi-experimental study

PMCID: PMC6456993

研究デザイン

準実験的研究

目的

今回の研究の目的は変形性膝関節症に対して12週間のホームエクササイズ
効果を検証することである.
仮説はホームエクササイズは患者教育と比較して痛み、こわばりなどを緩和して
身体機能の向上に繋がるというものであった.

方法

取り込み基準
①60歳以上
②過去1カ月以内でほとんど疼痛が生じる
③NRS 3~7
④認知機能正常

除外基準
①TKA
②6カ月以内の下肢の手術の既往
③下肢の重度の変形(外反、内反)
④運動禁忌(高血圧、心筋梗塞、脳梗塞など)

研究方法

171名の患者が2つのグループに割り当てられた.


 患者教育+エクササイズグループ
 (education + exercise group)

 患者教育単独グループ
 education group

参加者の基礎情報は以下を参照

患者教育+エクササイズグループ

患者教育とエクササイズに割り当てられた参加者は
12週間で4セッション(0週、2週、4週、6週)の理学療法士による
介入を行った.

主には、1時間の患者教育と1時間のエクササイズが実施された.
また研究期間中に自宅でもエクササイズを行うように指導.

患者教育の内容は
膝OAの病態、リスク因子、治療、エクササイズ、自宅での管理方法
などを指導された.

また、ホームエクササイズを定着させるために、
膝OAに関する情報やエクササイズの冊子を配布した.
(冊子の詳細はフルテキストの添付資料を参照)

エクササイズの内容は
文献や先行研究に基づいて作成された.

エクササイズは以下の9種類で構成された.

・大腿四頭筋の等尺性収縮
・SLR訓練
・股関節伸展運動(腹臥位)
・大腿四頭筋のストレッチ
・ハムストリングスのストレッチ
・膝伸展運動(座位で重錘1kgを足部に装着)
・膝屈曲運動(立位で重錘1kgを足部に装着)
・前後への重心移動(立位で椅子を把持して)
・左右への重心移動(立位で椅子を把持して)

※ホームエクササイズは1回30~40分を週3回行うように指導

患者教育単独グループ

患者教育に割り当てられた参加者は
12週間で4セッション(0週、2週、4週、6週)の理学療法士による
患者教育が行われた.

患者教育の内容は
エクササイズの推奨を除いて
患者教育+エクササイズグループ同様の内容が行われた.

※患者教育グループにはホームエクササイズに関する指導は行わなかった.

アウトカム

以下のアウトカムを開始時12週(介入後)で測定した.

プライマリーアウトカム

  • 痛み:WOMAC pain scale
  • こわばり:WOMAC joint stiffness scale

セカンダリーアウトカム

  • 筋力:5回立ち上がりテスト
  • バランス:TUG test
  • 6分間歩行テスト
  • QOL: Arthritis Impact Measurement Scales 2 – Short Form (AIMS2-SF)
結果

痛み:WOMAC pain scale

両群間で比較すると介入後は
患者教育+エクササイズグループの方が優位な改善を示した.

こわばり:WOMAC joint stiffness scale

両群間で比較すると介入後は
患者教育+エクササイズグループの方が優位な改善を示した.

筋力、バランス、6分間歩行、QOL

筋力、バランス、6分間歩行、QOLともに
介入後は患者教育+エクササイズグループで優位な改善を示した.

解説

今回は変形性膝関節症に対して
ホームエクササイズエクササイズによる効果を
検証した論文を紹介しました.

結果としては12週間のホームエクササイズ+患者教育の併用によって
痛みやこわばりの改善が期待できることが示されました.

今回の論文の限界として著者は
対象者をランダムに割り付けしていない点や参加者や治療者に対して
盲検化していない点を挙げています.

また、重度の痛み(NRS 8以上)の患者は除外しているため
重度の痛みがある膝OAに対しても同様の効果があるかは不明であると
述べています.

今回の論文のを踏まえると
膝OAに対して患者教育とエクササイズの併用は
痛み、こわばり、QOLなどの改善に効果が期待できることが
示されました.

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