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変形性股関節症・変形性膝関節に水中運動は有効?

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タイトル

Aquatic physical therapy for hip and knee osteoarthritis: results of a single-blind randomized controlled trial

DOI: 10.2522/ptj.20060006

研究デザイン

ランダム化比較試験

目的

水中理学療法は変形股関節症・変形性膝関節症に患者に頻繁に使用されるが
しかし、その有効性を検証した論文は少ない.
よって、本研究の目的は6週間の水中理学療法プログラムの有効性を検証することである.

方法

取り込み基準
①50歳以上
アメリカリウマチ学会(ACR)の診断基準を満たす
③VSA 3cm以上の痛み
④起立、歩行、階段が困難


除外基準
①水中運動が禁忌
②腰痛やその他の関節痛
③6カ月以内の関節内注射歴
④手術歴、理学療法歴、ハイドロセラピー歴

研究方法

71名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.


 水中理学療法グループ
 (Aquatic Physical Therapy Group)

 コントロールグループ
 (Control Group)

参加者の基礎情報は以下を参照

水中理学療法グループ

水中理学プログラムの内容は
両脚スクワット、片脚スクワット、ランジ動作、ステップアップ動作
などを段階的に実施した.


※理学療法は1週間に2回を合計6週間実施.
※1回の理学療法は45~60分実施.

水中理学療法プログラムの詳細は以下を参照

コントロールグループ

コントロールグループは通常の生活と投薬治療を継続するように指導.

ドロップアウトを防ぐために
研究終了後に水中理学療法プログラムを提供することとした.

アウトカム

以下のアウトカムを開始時、6週(介入後)で測定した.

  • 痛み:VAS
  • 自覚的改善度:5-point Likert scales
結果

痛み:VAS

両群間で比較すると
水中理学療法グループで優位な改善を示した.

自覚的改善度:5-point Likert scales

疼痛に関しては
水中理学療法グループ:72%の割合で痛みが改善したと報告.
コントロールグループ:17%の割合で痛みが改善したと報告.

身体機能に関しては
水中理学療法グループ:75%の割合で身体機能が改善したと報告.
コントロールグループ:17%の割合で身体機能が改善したと報告.

解説

今回は変形性股関節症・変形性膝関節症に対して
水中でのエクササイズの有効性を検証した論文を紹介しました.

結果としては
6週間の水中理学療法プログラムは痛みと身体機能の

改善に有効であることが示されました.

長期的なフォローアップがないため、長期的な効果は不明となっていますが
短期的には水中でのエクササイズは痛みや身体機能の改善に有効である
ことが分かりました.

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