足底腱膜炎に対する理学療法の効果スポンサーリンク 2021.03.18スポンサーリンクタイトルEffectiveness of physical therapy treatment in addition to usual podiatry management of plantar heel pain: a randomized clinical trialPMCID: PMC6935140研究デザインランダム化比較試験目的足底の痛みに対して多くの患者は足病医の治療を受けるが、その中で理学療法の治療を受ける患者は少ない.アメリカでは足底のケアを求める患者のうち最初に診断を受けてから30日以内に理学療法を受ける患者はわずが7%であると言われている.理学療法士による治療は足底の痛みに対してさらなる改善をもたらす可能性がある.そこで本研究の目的は足底腱膜炎に対して理学療法を併用することでの効果を検証することである.方法取り込み基準①18~70歳②足底腱膜炎と診断あり③圧痛④起床時の最初の1歩で痛みあり⑤日中の体重負荷で痛みあり除外基準①foot and ankle ability measure activities of daily living subscale (FAAM) score が100点中88点以上(100点に近いほど機能障害なし)②1年以上症状あり③足部、足関節・下肢の手術歴④神経根症状あり⑤徒手療法禁忌(リウマチ、腫瘍、全身性疾患など)研究方法95名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.足専門医によるケア+理学療法podiatric care (uPOD)+physical therapy足専門医によるケアのみpodiatric care (uPOD) 単独参加者の基礎情報は以下を参照足専門医によるケア+理学療法理学療法の内容は・徒手療法・患者教育・ストレッチ・レジスタンストレーニング足専門医によるケアの内容は・足底腱膜炎に対する教育・支持性のある靴を着用することを指導・必要に応じて投薬とインソール処方・資料の配布:下腿と足底のストレッチ※可能な限り週1回の理学療法を受けるよう予約※参加者は最終的に平均4回の理学療法を受けた足専門医によるケアのみ足専門医によるケアの内容は・足底腱膜炎に対する教育・支持性のある靴を着用することを指導・必要に応じて投薬とインソール処方・資料の配布:下腿と足底のストレッチ資料※参加者は最終的に平均2回、足専門医を訪れたアウトカム以下のアウトカムを開始時、6週、6カ月、1年で測定した.機能:Foot and Ankle Ability Measure (FAAM)痛み:NRSGlobal rating of change scale(GRC)結果機能:Foot and Ankle Ability Measure (FAAM)両群ともに優位に改善を示したが、両群間での優位差はなし.痛み:NRS6週と1年の測定では足専門医によるケア+理学療法のグループで優位な改善を示した.6カ月時点での両群間の比較は優位差はなし.Global rating of change scale(GRC)自覚的改善度は両群ともに増加したが、両群間での優位差はなし.解説今回は足底腱膜炎に対する通常のケアに加えて理学療法を併用することでの機能障害や痛みの効果を検証した論文を紹介しました.結果としてはプライマリーアウトカムであるFoot and Ankle Ability Measure (FAAM)は両群間の比較で優位差はありませんでした.セカンダリーアウトカムである痛みに関しては6週、1年で理学療法を併用したグループで優位な改善を示しました.
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