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子供の偏平足に対するインソールの効果

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タイトル

Short-term effects of customized arch support insoles on symptomatic flexible flatfoot in children: A randomized controlled trial

PMCID: PMC5976302

研究デザイン

ランダム化比較試験

目的

本研究の目的は症候性の偏平足の子供を対象にカスタマイズされたインソールが
身体機能・構造、活動、参加に及ぼす短期的な効果を検証することである.
私たちの仮説としては短期的にカスタマイズされたインソールを使用することで
身体機能・構造、活動、参加の評価項目のスコアが向上すると仮説を立てた.

方法

取り込み基準
①症候性の偏平足
②足部や下腿の痛み、長時間歩行後の疲労、歩行障害


除外基準
①足部の外傷や手術歴
②足部の変形あり
③発達障害の診断あり

研究方法

52名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.

カスタマイズされたインソールグループ

コントロールグループ

参加者の基礎情報は以下を参照

カスタマイズされたインソールグループ

インソール群に割り付けられた参加者は
12週間の熱可塑性のインソールを12週間着用した.

インソールは前足部外転と後足部回内を矯正させるように作成された.

※インソールは1日5時間以上は使用するように指導.
※合計12週間はインソールを使用した.

コントロールグループ

コントロールグループは個人的に快適だと感じる靴を1日5時間以上は
使用して12週間までフォローアップ.

アウトカム

以下のアウトカムを開始時12週後(介入後)で測定した.

  • 10m歩行:快適歩行速度、最大歩行速度
  • 踏み台昇降テスト:18cm台を14回実施
  • TUG test:最大歩行速度で測定
  • Chair Stand Test:5回の反復起立の速度を測定
  • QOL:Pediatric Outcome Data Collection Instrument (PODCI)
結果

10m歩行:快適歩行速度、最大歩行速度

10m歩行での最大歩行速度はインソール群で優位な改善を示した.

踏み台昇降テスト

両群間で比較するとインソール群で優位な改善を示した.

TUG test

両群間で優位差はなし.

Chair Stand Test

両群間で優位差はなし.

QOL:Pediatric Outcome Data Collection Instrument (PODCI)

下位尺度であるtransfer and basic mobilityスコアのみ
両群間で比較するとインソール群で優位な改善を示した.

解説

今回は6歳~7歳の子供の偏平足に対するインソールの効果を
検証した論文を紹介しました.

結果としては
12週間のインソールを使用することで10m歩行速度、椅子からの立ち上がりテスト

QOLスコア(Transfer and basic mobility)が優位な改善を示しました.

12週間のインソール使用後は76.2%は症状が改善しており、
23.8%は症状は変化なしという結果とっています.

よって、短期的には症候性の小児の偏平足に対してのインソールは
効果的である可能性が考えられます.

しかし、フォローアップ期間がないため、長期的な効果は不明
となっている点に注意が必要です.

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