偏平足に対するエクササイズと神経電気刺激の効果スポンサーリンク 2021.03.17スポンサーリンクタイトルEffects of the Short Foot Exercise With Neuromuscular Electrical Stimulation on Navicular Height in Flexible Flatfoot in Thailand: A Randomized Controlled TrialPMCID: PMC6686109研究デザインランダム化比較試験目的偏平足は成人に生じる筋骨格性の疾患であり、体重をかけた際に内側縦アーチが低下することが特徴である.FiolkowskiらやHeadleeらは拇趾外転筋の活動が低下すると舟状骨落下が大きくなると報告している.よって、拇趾外転の筋力強化は踵骨回外や内側縦アーチの挙上に有効である.拇趾外転筋の筋力強化の方法はタオルギャザーやshort foot exerciseや電気刺激が用いられる.short foot exerciseは足部内在筋のトレーニングとして一般的に使用される.short foot exerciseによって舟状骨落下を防ぎ、内側縦アーチの低下を防ぐことが可能である.また、拇趾外転筋に対しての電気刺激が舟状骨落下を軽減するという報告がある.さらに、電気刺激とトレーニングの併用がトレーニング単独より筋力強化に効果的であるという報告もある.過去の研究で偏平足に対して拇趾外転筋に対するshort foot exerciseと電気刺激の短期的な効果の報告はない.そこで本研究の目的は無症候性の偏平足の症例に対してshort foot exerciseと電気刺激の併用とshort foot exercise単独を比較して舟状骨落下の影響を検証することである.方法取り込み基準①偏平足の診断あり除外基準①足関節・足部の痛み②外反膝③後脛骨筋の機能不全④脚長差あり⑤腓腹筋の短縮⑥糖尿病⑦心臓ペースメーカー⑧皮膚疾患⑨神経筋疾患研究方法36名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられたshort foot exercise (SFE)+neuromuscular electrical stimulation (NMES)ショートフットエクササイズ+電気刺激short foot exercise (SFE)+placebo neuromuscular electrical stimulation (NMES)ショートフットエクササイズ+プラセボ電気刺激患者の基礎情報は以下を参照ショートフットエクササイズ+電気刺激ショートフットエクササイズは地面に足部を設置した座位で実施.合計30回を繰り返して、1回ごとに5秒間保持するよう指導.神経電気刺激は拇趾外転筋に対して合計30分間実施した.※週3回を4週間実施した.※1回の介入時間は45分とした.ショートフットエクササイズ+プラセボ電気刺激同様のショートフットエクササイズを実施.また、プラセボの電気刺激を30分間実施した.※週3回を4週間実施した.※1回の介入時間は45分とした.アウトカム以下のアウトカムを開始時、4週後(介入後)で測定した.舟状骨の高さ:プライマリーアウトカム拇趾外転筋の筋力拇趾外転筋の筋活動:表面筋電図を使用して測定結果舟状骨の高さ:プライマリーアウトカム両グループともに舟状骨の高さは増加したが、両群間で優位差はなし.ショートフットエクササイズ+電気刺激のグループ:0.09mm増加ショートフットエクササイズ単独のグループ:0.04mm増加拇趾外転筋の筋力両グループともに筋力は増加したが、両群間で優位差はなし.拇趾外転筋の筋活動両群ともに介入後は筋活動が優位に増加した.両群間での比較ではショートフットエクササイズ+電気刺激のグループで優位に拇趾外転筋の筋活動の増加が認められた.解説今回は健康な人を対象に偏平足を呈している症例に対してショートフットエクササイズと電気刺激の併用によって内側縦アーチの改善を検証した論文を紹介しました.結果としてはショートフットエクササイズ+電気刺激によって拇趾外転筋の筋活動は優位な差を示しましたが舟状骨の高さは両群間で優位差はありませんでした.注意点としては今回の症例は無症候性の偏平足であるため、症候性の偏平足に対しての効果は不明である点や参加者が20歳前後であり比較的若年層である点を考慮する必要があります.
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