2008年Iversonらの報告によればCPRで3つ以上当てはまれば仙腸関節マニュプレーション
後にNRSが50%以上改善またはGlobal Rating of Change questionnaire (GRC)のスコアが+4以上
改善する確率が94%になります.
PFPSの症例になぜ仙腸関節マニュプレーションを実施するのか疑問になる方もいるのでは
と思います.この論文の中ではマニュプレーションにより大腿四頭筋の筋力向上に繋がると
述べられています.
注意点としては
- 研究デザインはderivation study(モデル作成段階)なので内的妥当性が不十分
- アウトカムは即時的アウトカムのみで長期的な効果は不明
- マニュプレーションは治療スキルが必要
2012年Crowellらは2008年Iversonらの論文をもとにPFPSの症例に対して
仙腸関節マニュプレーションを実施することで股関節内旋可動域や股関節周囲の
筋力に変化があるかを検証しました.
結果としては股関節内旋角度は1.8°優位に減少しましたが、股関節伸展筋力は0.5kg、
外転筋力は0.6kg優位に減少が認められました.筆者の考察としてはテスト測定に伴う
疲労が関与しているのではと考察しています.
結論としてはIversonらの論文を支持するエビデンスはなくさらなる検証が必要であると
しているます.
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