Structural effect of avocado/soybean unsaponifiables on joint space loss in osteoarthritis of the hip
DOI: 10.1002/art1.10239
パイロット研究
本研究の目的は変形性股関節症(股関節OA)に対して
アボカド大豆不鹸化物(Avocadohoybean unsaponifiables:ASU)
の効果をパイロット研究で調査することである.
取り込み基準
①50~80歳
②European League Against Rheumatism (EULAR)で股関節OAの診断
③Kellgren/Lawrence (K/L) grade ⅠB~Ⅲ
④joint space 1mm以上
⑤6カ月以上持続する疼痛
⑥Lequesne Index 4点以上
除外基準
①重度の合併症あり
②2年以内にTHA予定
③Kellgren/Lawrence (K/L) grade ⅠA、Ⅳ
④1カ月以内のコルチコイド注射
⑤3カ月以内の滑膜修復
163名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた
アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループ
プラセボグループ
患者の基礎情報は以下を参照

研究の流れは以下を参照

アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループは300mgカプセルを毎日2年間服用
プラセボグループは偽薬を毎日2年間服用
※治療期間中はNSAIDsの服用を許可
以下のアウトカムを開始時、2年後(介入後)で測定した.
- 股関節裂隙:joint space
- 機能:Lequesne Index
- 疼痛:VAS(安静時)
- NSAIDsの服用回数
- 患者満足度
- 病欠日数
- THA移行の割合
股関節裂隙:joint space
関節裂隙の進行は
アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループ:
2.35mm(開始時)から1.87mm(2年後)
プラセボグループ:
2.5mm(開始時)から1.9mm(2年後)
両群間で優位差はなし.
関節裂隙の中央値2.45mmでサブグループ解析した結果
アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループ:
1.6mm(開始時)から1.22mm(2年後)
プラセボグループ:
1.69mm(開始時)から0.84mm(2年後)
関節裂隙が少ない群間で比較すると
アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループの方が
関節裂隙の進行は少ない結果となった.

その他のアウトカム
その他のアウトカムである
機能、痛み、内服回数、患者満足度、THA移行率、病欠日数
に関しては両群間で優位差はなし.

今回はアボカドに含まれているアボカド大豆不鹸化物(ASU)が
変形股関節の関節裂隙の狭小化の抑制に効果的なのかを検証した論文を紹介しました.
結果として
両群間では優位差はありませんでしたが
関節裂隙が狭いグループでサブグループ解析した結果は
アボカド大豆不鹸化物(ASU)を服用したグループの方が
関節裂隙の進行を防ぐことが示されました.
その他の、アウトカムに関しては
両群間では優位差はありませんでした.

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