Symptomatic efficacy of avocado/soybean unsaponifiables in the treatment of osteoarthritis of the knee and hip: a prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled, multicenter clinical trial with a six-month treatment period and a two-month followup demonstrating a persistent effect
ランダム化比較試験
本研究の目的は膝や股関節の痛みを伴う変形性関節症(OA)に対して
アボカド大豆不鹸化物(Avocadohoybean unsaponifiables:ASU)
の効果を前向きランダム化比較試験を用いて検証することである.
取り込み基準
①45~75歳
②アメリカリウマチ学会(ACR)の診断基準を満たす膝・股OA
③6カ月以上持続する疼痛
④NSAIDsを服用
⑤VAS 30mm以上
⑥Lequesne Index 4点以上
除外基準
①重度の合併症あり
②8カ月以内にTKA、THA予定
③軽度のOA
④1カ月以内のステロイド注射
⑤3カ月以内の滑膜修復
164名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた
アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループ
プラセボグループ
患者の基礎情報は以下を参照

研究の流れは以下を参照

アボカド大豆不鹸化物(ASU)グループは300mgカプセルを6カ月間服用
プラセボグループは偽薬を6カ月間服用
※治療期間中はNSAIDsの服用を許可
以下のアウトカムを開始時、6カ月(介入後)、8カ月で測定した.
- 機能:Lequesne’s functional index(LFI score)
- 痛み:VAS(安静時・運動時)
- NSAIDsの服用回数
- 患者満足度(5段階)
- 副作用
- コンプライアンス

機能:Lequesne’s functional index(LFI score)
アボカド大豆不鹸化物を飲んだグループで優位な改善を示した.

痛み:VAS(安静時痛)
アボカド大豆不鹸化物を飲んだグループで優位な改善を示した.

痛み:VAS(運動時痛)
アボカド大豆不鹸化物を飲んだグループで優位な改善を示した.

NSAIDsの服用回数
6カ月~8カ月時点では
アボカド大豆不鹸化物を飲んだグループで優位な改善を示した.
4カ月~6カ月時点では両群間での優位差はなし.

患者満足度(5段階)
アボカド大豆不鹸化物を飲んだグループで優位な改善を示した.
副作用
アボカド大豆不鹸化物グループで1名脳卒中を発症した.
これに関しては合併症に心血管疾患を持っているため治療とは関係ないと判断.
その他の副作用は両群間で優位差はなし.
副作用は消化器症状、神経症状、全身症状、皮膚疾患であった.
今回はアボカドに含まれているアボカド大豆不鹸化物(ASU)が
変形性膝関節症、変形股関節症に有効なのかを検証した論文を紹介しました.
結果として
アボカド大豆不鹸化物を6カ月飲んだグループは
機能や痛みが改善することが示されました.
また、治療の効果は服用を中止した、2か月後も効果は
持続していることが示されました.
今回の研究で変形性関節症にアボカドを食べることで
痛みの改善に効果があることが分かりました.
しかし、今回の研究では長期的なフォローアップはないため
長期的効果は不明となっている点に注意が必要だと思います.

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