Conservative versus surgical management for patients with rotator cuff tears: a systematic review and META-analysis
PMCID: PMC7796609
システマティックレビュー・メタアナリシス
本研究の目的は腱板断裂(全層)に対して保存療法と手術にて
1年後、2年後における機能的アウトカムを比較することである.
2人の著者が独立して論文を系統的に抽出した.
最終的に5件の論文が取り込み基準を満たした.

抽出された5件の論文のうち
1年までフォローアップした論文は3件
2年までフォローアップした論文は2件

GRADE system(グレードシステム)に基づいて論文の質を評価.

以下のアウトカムを1年、2年までフォローアップして測定.
- 機能:Constant Murley Score
- 痛み:VAS
機能:Constant Murley Score
1年後のConstant Murley Scoreの平均は
保存療法では72.8 ± 16.5点
手術では77.6 ± 14.4点
保存療法と手術で比較すると、両群間で優位差はなし.
2年後のConstant Murley Scoreの平均は
保存療法では79.1 ± 22.4点
手術では77.9 ± 21.4点
保存療法と手術で比較すると、両群間で優位差はなし.


痛み:VAS
1年後の痛みの平均は
保存療法では2.4 ± 1.9mm
手術では1.4 ± 1.6mm
保存療法と手術で比較すると、手術で優位な改善を示した.


今回は腱板断裂損傷に対して保存療法と手術でどちらのほうが
成績が良いのかを検証したシステマティックレビューとなっています.
結果としては
肩関節機能は両群間で優位差はなく、
疼痛は手術した方が優位に改善することが示されました.
今回のアウトカムのであるConstant Murley Scoreとは
痛み、ADL、可動域、筋力から構成されている評価スケールです.
よって、腱板断裂の症例は長期的には手術しなくても
機能的には改善することが分かりました.
しかし、痛みに関しては手術した方が軽減するため
除痛を目標にするのであれば手術を検討した方が良いと思われます.

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