慢性腰痛に対する腹圧トレーニングの有効性スポンサーリンク 2021.02.20スポンサーリンクタイトルEffect of exhalation exercise on trunk muscle activity and oswestry disability index of patients with chronic low back painPMCID: PMC4932047研究デザインランダム化比較試験目的本研究の目的は呼吸を意識した腹圧トレーニングと脊椎安定化トレーニングを比較して体幹の筋活動や機能障害への影響を検討することである.方法取り込み基準①3カ月以上持続する慢性腰痛②安全にトレーニングができる除外基準①急性腰痛②精神疾患③運動へのコンプライアンス不良④認知機能障害⑤運動麻痺⑥脊椎分離症⑦脊椎すべり症研究方法20名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.腹圧トレーニンググループ(experimental group)脊椎安定化トレーニンググループ(control group)患者の基礎情報は以下を参照腹圧トレーニンググループ(experimental group)腹圧トレーニングの内容は両膝を立てた背臥位姿勢の状態で腰にバイオフィードバックシステムを使用して圧力を40mmHgに維持させる.腹横筋と内腹斜筋の筋活動が賦活することを意識して実施.※介入は週に5回を6週間実施※1回の介入時間は20分とした脊椎安定化トレーニンググループ(control group)脊椎安定化トレーニングの内容は①ウォームアップ②エクササイズ③クールダウンの3つで構成①ウォームアップでは5分間のストレッチた関節の柔軟体操を実施②エクササイズでは骨盤後傾運動、ドローイン、骨盤前傾運動、ブリッジ(両脚・片脚・ボール挟み)を背臥位にて20分間実施③クールダウンでは5分間の有酸素運動※介入は週に4回を6週間実施※1回の介入時間は30分としたアウトカム以下のアウトカムを開始時、6週(介入後)で測定した.機能:Oswestry disability questionnaire(ODI)表面筋電図:腹直筋、腹横筋、外腹斜筋、脊柱起立筋結果機能:Oswestry disability questionnaire(ODI)機能障害は両群ともに優位な改善を示した.両群間での比較では腹圧トレーニングで優位な改善を示した.表面筋電図:腹直筋、腹横筋、外腹斜筋、脊柱起立筋腹直筋、外腹斜筋、脊柱起立筋は両群ともに優位に改善.腹横筋のみ腹圧トレーニングで優位な改善を示した.RA:腹直筋 TA:腹横筋 EAO:外腹斜筋 ES:脊柱起立筋 ODI:機能障害スコア解説今回は慢性腰痛に対して腹圧トレーニングの有効性を検証した論文を紹介しました.結果として腹圧トレーニングはODIと腹横筋の筋活動の賦活に有効であることが示唆されました.ただし、長期的にフォローアップしていないため、短期的には有効ですが、長期的な効果は不明となっています.慢性腰痛には体幹深層筋である腹横筋が重要であると様々な研究で分かっているので、今回の論文を通して腹横筋を意識した呼吸トレーニングを臨床に活かしてみても良いかと思います.
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