変形性股関節症に対するリハビリテーション【エクササイズと徒手療法併用の有効性】スポンサーリンク 2021.02.08スポンサーリンクタイトルExercise and manual physiotherapy arthritis research trial (EMPART) for osteoarthritis of the hip: a multicenter randomized controlled trialDOI: 10.1016/j.apmr.2012.09.030研究デザインランダム化比較試験目的変形性股関節症に対してエクササイズや徒手療法の有効性を示している論文は散見されるが、徒手療法とエクササイズの併用による効果を検証している研究は存在しない.そこで本研究の目的は変形性股関節症に対してエクササイズと徒手療法の併用がエクササイズのみと比較して痛みや機能の改善に有効かを検証することである.方法取り込み基準①40~80歳②米国リウマチ学会の股関節OAの診断基準を満たす除外基準①THAの既往②先天性股関節疾患③腰椎疾患の症状あり④過去6カ月以内の理学療法歴⑤妊婦⑥股関節骨折⑦炎症性関節炎⑧THA適応⑨過去30日以内のコルチコイド注射歴研究方法131名の患者がランダムに3つのグループに割り当てられた.exercise therapy+manual therapy group(ET+MT group)exercise therapy group(ET group)control group※コントロールグループは9週間後にランダムに ET+MT groupまたはET groupに割り付けられた.患者の基礎情報は以下を参照ランダム化比較試験の流れエクササイズグループ(ET group)エクササイズグループは主に以下の内容を実施.・ストレッチ・筋力トレーニング 低負荷でOKCの運動から開始 主に大殿筋に焦点を当ててトレーニングを実施・ホームエクササイズ指導・有酸素運動(サイクリング、歩行、水泳) 週5回、30分実施するよう指導※介入は合計6~8回を8週間にわたり実施※1回の介入時間は30分実施エクササイ+徒手療法グループ(ET+MT group)エクササイズグループ同様に30分のエクササイズに加えて15分間の徒手療法を実施した.痛みや制限がある部位に対して非マニピュレーションを実施した.※介入は合計6~8回を8週間にわたり実施※1回の介入時間は45分実施Control groupコントロールグループは9週間待機した後にエクササイズグループまたはエクササイズ+徒手療法グループに無作為に割り付けられた.アウトカム以下のアウトカムを開始時、9週目、18週目で測定した.WOMAC physical function:プライマリーアウトカム5回立ち上がりテスト50-foot (15.24m) walk test (50FWT)自動可動域(屈曲、外転、内旋)Thomas test疼痛(運動時、夜間時):NRSSF-36心理的評価:Hospital Anxiety and Depression Scale :HADS患者満足度:Patient satisfaction and global assessment of change結果エクササイズグループ、エクササイズ+徒手療法グループ、コントロールグループ3つのグループを比較すると、コントロールグループに比べてWOMAC physical functionスコア、可動域、患者満足度は介入群で優位な改善を示した.エクササイズグループとエクササイズ+徒手療法グループの比較では9週目、18週目ともに優位差はなかった.解説今回は変形性股関節症に対してエクササイズと徒手療法の併用による有効性を検証した論文を紹介しました.結果としては徒手療法と併用しても、エクササイズのみのグループと効果は同様であることが示されました.8週間の介入でコントロールグループと比較すると介入群で機能、可動域、患者満足度が優位な改善を示しました.疼痛に関しての効果は不明となっています.
コメント