Efficacy of patient education and supervised exercise vs patient education alone
in patients with hip osteoarthritis: a single blind randomized clinical trial
ランダム化比較試験
今回の研究の目的は変形性股関節症に対して患者教育と監視下でのエクササイズ
を併用したした場合の痛み、機能障害、QOLに対する有効性を検証することである.
取り込み基準
①40~80歳
②関節裂隙の幅 70歳未満 4mm 70歳以上 3mm(X線画像)
③3カ月以上の痛み
④Harris Hip Score 60~95点
除外基準
①THA適応
②膝OA
③腰痛
④リウマチ
⑤骨粗鬆症
⑥癌
⑦妊婦
⑧心血管疾患により運動困難
⑨事故・疾病による下肢機能障害
109名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.
患者教育+エクササイズ(patient education + supervised exercise :PE+SE group)
患者教育のみ(patient education:PE group)
患者の基礎情報は以下を参照

Klassbo Mら2003による論文に基づいて実施
3回のグループセッションとグループセッション終了後2カ月後の理学療法士
による訪問で構成.
セッションの前に面談、可動域検査、バランス検査を実施.
セッションでは患者が抱えている問題に対してスライドや写真などを
通して問題を解決したり、可動域を維持するための運動を提示、
痛みに対するセルフマネージメントを提示するなどを実施.


Fernandes Lら2010の論文に基づいて実施.
・ウォームアップ(歩行、自転車)
・筋力トレーニング(Leg extension、Leg curl、Heel-raiseなど)
・機能的運動(Squats、Lunge、Step-up/stepdownなど)
・ストレッチ
上記の合計26のエクササイズから患者に適した運動を処方した.
※監視下の運動は週1回実施
※週2~3回は個人でエクササイズするよう指導
以下のアウトカムを開始時、4カ月、10カ月、16カ月で測定した.
- WOMAC pain:プライマリーアウトカム
- WOMAC stiffness
- WOMAC physical function
- SF-36
- modified Norwegian version of Physical Activity Score for Elderly (PASE)
WOMAC pain
両群間で優位差はなし.

WOMAC stiffness
両群間で優位差はなし.
16カ月の平均値差は優位に異なる結果となった.

WOMAC physical function
患者教育+エクササイズグループで優位に改善を示した.
10カ月、16カ月の平均値差は優位に異なる結果となった.

SF-36
両群間で優位差はなし.
modified Norwegian version of Physical Activity Score for Elderly (PASE)
両群間で優位差はなし.
今回は変形性股関節症に対して
患者教育と運動療法を組み合わした有効性を検証した論文です.
結果としては
痛みは優位差はありませんでしたが
機能の改善には有効であることが示されました.
論文の著者は
WOMAC physical functionに関して
95%信頼区間の幅が広いため個人間でも機能の改善にバラつきがある
点を考慮する必要があると述べています.
- Maria Klässbo et al. Promising outcome of a hip school for patients with hip dysfunction. Arthritis and rheumatism. 2003
- Linda Fernandes et al. Development of a Therapeutic Exercise Program for Patients With Osteoarthritis of the Hip. Physical therapy.2010

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