目的
どのような腰痛患者に機械的牽引が有効かを予測するクリニカルプレディクションルールです.
ルール
- Fear‐Avoidance Belief Questionnaire -work subscale (FABQ-W) スコアが21点以下
- 神経症状がなし
- 30歳以上
- 非肉体労働の仕事
感度・特異度・陽性尤度比・成功確率
| 陽性数 | 感度 | 特異度 | 陽性尤度比 | 成功確率 |
| 1以上 | 0.98 (0.80–1.00) | 0.09 (0.04–0.16) | 1.07 (0.99–1.16) | 20.4% |
| 2以上 | 0.96 (0.78–1.00) | 0.46 (0.36–0.56) | 1.78 (1.47–2.17) | 30% |
| 3以上 | 0.76 (0.55–0.90) | 0.75 (0.65–0.83) | 3.04 (2.04–4.53) | 42.2% |
| 全て | 0.36 (0.19–0.57) | 0.36 (0.19–0.57) | 9.36 (3.13–28.00) | 69.2% |
Caiら2009より筆者作成
筆者の解釈
CPRで4つ全て当てはまる腰痛に機械的牽引をすることで69%の確率でModified Oswestry Disability Questionnaire(MDOQ)が50%以上良くなります.
介入内容は体重の30～40%での牽引を15分間、9日以内に3回実施します.
成功の定義としては能力障害を示すMDOQスコアが50%以上改善した場合としています.
以下の点に注意が必要だと思います
- 研究デザインはderivation study(モデル作成段階)なので内的妥当性が不十分
- 4つ当てはまった群の陽性尤度比が3.13–28.0とばらつきが大きい
- 腰痛発症期間が1週～19年と急性～慢性期まで大きく幅がある
- フォローアップが期間がないため短期的なアウトカムしか反映していなく
長期的な効果が不明
引用文献
- Cai C, et al. A clinical prediction rule for classifying patients with low back pain who demonstrate short-term improvement with mechanical lumbar traction. Eur Spine J. 2009
- Fritz JM, et al. Is there a subgroup of patients with low back pain likely to benefit from mechanical traction? Results of a randomized clinical trial and subgrouping analysis. Spine. 2007
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