今のところ標準化はされてなく、明確な客観的基準がないためスポーツ復帰の明確な
コンセンサスは得られていない現状がある.
多くの場合、推奨事項は曖昧で、左右差のないROM、筋力、
機能的能力(ジャンプ、ランニング)が痛みなくできればスポーツ復帰可能であると
述べられている.
Asklingらは受傷した下肢に圧痛がないことや柔軟性テストで左右差10°未満、
MMTで痛みや左右差がない事を挙げている.
Malliaropoulosらは等速性筋力テストで患側と健側で筋力差が5%未満である
ことが復帰基準であると報告している.
Asklingらはアクティブハムストリングステスト(H test)で不安なく可能な限り
早く脚を挙上できることを基準としている.
損傷した側でこのテストを行うと95%のアスリートが健側と比較して股関節屈曲速度が
遅いことが分かった.このテストを行い陽性の場合は再度1~2週間のリハビリテーション
を行う必要があることを推奨している.
機能的なテストとして一側下肢でのブリッジテスト(single leg hamstring bridge)がある.
オーストラリアのサッカー選手を対象とした研究では
ハムストリングスの筋力を一側のブリッジテストを用いて評価した.
30回以上可能であれば再発のリスクが低いと述べている.
このテストは可能な限り早く強い強度で取り込むよう提唱されている.
以下がスポーツ復帰までの基準となる.
圧痛、等速性筋力、H test、一側ブリッジテスト、スポーツ特異的テスト
上記の順でクリアすればスポーツ復帰が可能となる.
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