今回はハムストリングス損傷に対してどのような整形外科テストが有効
であるのかを検証したシステマティックレビューとなります.
基本的にはMRI画像や超音波を使って診断をするのが確実ですが、
精度が高い整形外科テストであれば簡易的に疾患をルールインする
ことが可能となります.
今回は3つの研究論文がそれぞれ整形外科テストの信頼性を評価しています.
QUADASスコアが一番高かったSchneider-Kolskyらの論文は
感度は95%と高かったですが、陽性尤度比(LR+)は0.97と低く
診断するのには不十分という結果となっています.
次にQUADASスコアが高かったCacchioらの研究は
Modified bent-knee stretch Testは陽性尤度比が9.9と高い結果
となりましたが、対象がハムストリングス損傷後15日±7カ月と
亜急性~慢性患者を対象としているため急性の損傷での信頼性は
不明確な結果となっています.
最後にQUADASスコアが最も低かった、ZerenとOztekinらの研究では
Taking-off-the-shoe Testが感度100%、特異度100%と優れた結果
となっています.
それぞれ論文によって優れている点と考慮すべき点があるため
解釈は論文を読んだ方によって分かれると思いますが
個人的にはZerenとOztekinの4つのテストやTaking-off-the-shoe Test
は臨床でも活用できるのではと思います.
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