Operative versus nonoperative treatment for displaced midshaft clavicle fractures: a meta-analysis based on current evidence
PMCID: PMC4518819 DOI: 10.6061/clinics/2015(08)09
システマティックレビュー・メタアナリシス
今回のシステマティックレビュー・メタアナリシスの目的は
鎖骨骨幹部骨折に対して手術と保存療法の有効性を検証することである.
2名の著者が独立して対象論文を抽出した.
最終的に13のRCTの論文を採用.

0~5段階に基づくスコアリングシステムを使用して各論文のバイアスを評価.
0が質が低い、5が質が高い論文となる.

以下のアウトカムを基準とした
- 偽関節と症候性変形治癒の発生率:プライマリーアウトカム
- DASH score
- Constant Shoulder score
- 合併症
偽関節と症候性変形治癒の発生率
手術(プレート、ネイル)と保存療法を比較すると
偽関節の発症率は手術の方が優位に低い結果となった.
相対リスク(RR)は0.16、異質性は0%
手術グループは1.7%の発症率、保存療法グループは14%の発症率.
手術の方が偽関節の発症率が優位に低いことが示された.

手術(プレート、ネイル)と保存療法を比較すると
症候性変形治癒の発症率は手術の方が優位に低い結果となった.
相対リスク(RR)は0.13、異質性は0%
手術グループは1.8%の発症率、保存療法グループは20%の発症率.
手術の方が症候性変形治癒の発症率が低いことが示された.

Constant score
Constant scoreは機能障害評価であり、点数が高いほど肩関節機能が良好となる.
手術(プレート、ネイル)と保存療法を比較すると
手術の方が優位に点数が高い結果となった.

DASH score
DASH scoreは機能障害評価であり、点数が低いほど肩関節機能が良好となる.
手術(プレート、ネイル)と保存療法を比較すると
手術の方が優位に点数が低い結果となった.

合併症
手術と保存療法では合併症の発症率に優位差はなし.

今回は鎖骨骨折に対して手術と保存療法でどちらが成績が良いのかを
検証したシステマティックレビューです.
結果としては手術の方が
偽関節の割合が低い、機能障害の改善が高い
と全てのアウトカムにおいて優れる結果となりました.
鎖骨骨折の保存療法の機能的予後の目安として
にConstant score、DASH scoreの点数が
示してあるので参考にしてもいいかもしれません.

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