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肩峰下インピンジメントに対するリハビリテーション【理学療法 vs ホームエクササイズ】

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タイトル

Home exercises and supervised exercises are similarly effective for people with subacromial impingement: a randomised trial

DOI: 10.1016/j.jphys.2015.05.014

研究デザイン

ランダム化比較試験

目的

本研究の目的は肩峰下インピンジメントに対してホームエクササイズと監督下での理学療法
で痛みや機能障害の改善の効果が異なるかを検証することである.

方法

取り込み基準
①18~65歳
②12週間以上の一側性の肩の痛み
③painful arc test 陽性
④infraspinatus test 陽性
⑤Kennedy-Hawkins test 陽性
⑥肩甲上腕関節の可動域正常


除外基準
①不安定肩
②肩鎖関節損傷
③関節唇損傷
④腱板断裂全層
⑤肩関節OA
⑥肩関節の手術の既往
⑦頸椎の病変
⑧リウマチ
⑨精神疾患

研究方法

46名の患者がランダムに2つのグループに割り当てられた.

ホームエクササイズグループ
理学療法グループ

患者情報は以下を参照

ホームエクササイズグループ

最初の1回のみ理学療法士から個別の介入プログラムを指導された.
6週間のホームエクササイズを実施

主な内容は肩甲帯安定化エクササイズ、ローテーターカフエクササイズ、
可動域エクササイズ、短縮した筋に対してのストレッチを実施.

理学療法グループ

最大10回の理学療法とホームエクササイズ指導を受けた.
6週間の理学療法に加えてホームエクササイズを実施.

主な内容はホームエクササイズグループ同様に
肩甲帯安定化エクササイズ、ローテーターカフエクササイズ、
可動域エクササイズ、短縮した筋に対してのストレッチを実施.

アウトカム

以下のアウトカムを介入前6週(介入終了時)、26週に測定した.

  • Shoulder Pain and Disability Index (SPADI):プライマリーアウトカム
  • 平均の痛み:NRS
  • 整形外科テスト:painful arc、infraspinatus test 、Kennedy-Hawkins test
  • 恐怖回避思考:Fear Avoidance Beliefs Questionnaire (FABQ)
  • 可動域(屈曲、外転、外旋、内旋)
  • 患者満足度
結果

Shoulder Pain and Disability Index (SPADI)

6週、12週ともに両群間で優位差はなし.

痛み

6週時点では両群間で優位差はなし.

Fear Avoidance Beliefs Questionnaire (FABQ)

両群間で優位差はなし.

可動域

両群間で優位差はなし.

解説

今回は肩峰下インピンジメントに対しホームエクササイズと理学療法で
有効性を比較した研究です.

結果としては両群間で優位差はなく、
ホームエクササイズも理学療法同様の効果があることが示されました.

論文の著者としては
介入効果が同じであるため
最初の一回の理学療法以降はその後の理学療法が必要かどうかを考える
余地があると結論付けています.

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