整形外科のアウトカム一覧のダウンロードはこちら

感度・特異度・尤度比について分かりやすく説明します

スポンサーリンク
スポンサーリンク

今回は感度特異度尤度比について説明します。

整形外科テストには様々なテストがありますが、全てのテストが正しく
病態を判別できるわけではありません。
信頼性が低いテストも多く存在します。

整形外科テストの信頼性がどこまであるのかを判別する
方法として感度特異度尤度比があります。

感度特異度尤度比を理解することで
整形外科テストを正しく使えて、
疾患を除外したり、疾患を確定することができます。


あくまでも診断は医師が行うため、我々理学療法士は治療の補助となる
ために整形外科テストを用いることが前提となります。

はじめに

普段何気なく使っている整形外科テストですが
その整形外科テストの信頼性を十分に理解する必要があります。

検査で100%正しい判定をすることは不可能です

正しい検査を使わないと間違った解釈となってしまいます。
間違った解釈とは誤った診断です(誤診)。

誤診には大きく偽陽性偽陰性の2つがあります。

偽陽性:病気がないのに結果が異常(陽性)となること
偽陰性:病気があるのに結果が正常(陰性)となること

よって偽陽性とは過剰診断偽陰性とは見落としとも言われます。

感度について

感度とは「病気の人において検査結果が陽性となる人の割合」です。
真の陽性率とも言われます。

感度が高い検査だと、患者を誤って陰性とする見落としが減ります。

よって、感度が高い検査は偽陰性が減ります。
ということは感度が高い検査で陰性なら病気がないとも言えます。

特異度について

特異度とは「病気ではない人において検査結果が陰性となる人の割合」です。
真の陰性率とも言われます。

特異度が高い検査だと、患者を誤って陽性とする過剰診断が減ります。

よって、特異度が高い検査は偽陽性が減ります。
ということは特異度が高い検査で陽性なら病気があるとも言えます。

臨床へ落とし込む方法

ここまで感度(sensitivity)、特異度(specificity)について説明しました。

感度の高い検査では見落としが減ります。
感度が高い検査で陰性なら、病気ではない確率が高くなります。
よって、診断を除外するに効果的です。

特異度の高い検査では過剰診断が減ります。
特異度が高い検査で陽性なら病気である確率が高くなります。
よって、診断を確定するのに効果的です。

感度の高い検査でスナウト特異度の高い検査でスッピン
このように覚える方法もあります。

尤度比(ゆうどひ)について

尤度比ゆうどひとは感度、特異度を1つにまとめた指標です。
「尤度」とは「もっともらしさ」のことであり、
患者を検査した際に健康な人と比べてどのくらい検査結果が
陽性となるかを表します(陽性尤度比)。

陽性尤度比とはどれだけ確率を高めるか
陰性尤度比とはどれだけ確率を下げるか

感度・特異度が高いほど、陽性尤度比が高くなります。
感度・特異度が高いほど、陰性尤度比が低くなります。

陽性尤度比が10より大きい場合に確定診断に優れます
※陽性尤度比は大きいほど的中率が上がります。

陰性尤度比が0.1より小さい場合に除外診断に優れます
※陰性尤度比は0に近づくほど的中率が上がります。

まとめ

今回は感度、特異度、尤度比について説明しました。

臨床で働いている理学療法士であれば必ず理解しておく必要があります。

疾患を除外したいなら感度の高い検査を
疾患を確定したいなら特異度の高い検査を行いましょう。

今後整形外科テストを使用する際には検査の信頼性を踏まえて
患者さんに使ってみて下さい。

統計学について体系的に学びたい方は対馬 栄輝 先生が講義している
オンラインセミナー リハノメがおすすめです。

第12回までにわたっての講義が視聴可能です。
統計学の基本からリハビリへの活かし方など幅広く学べると思います。

リハノメについてはこちらのブログに詳しく書いてあります。

あなたにおススメの書籍

コメント