Physical therapy for patellofemoral pain: a randomized, double-blinded, placebo-controlled trial
ランダム化比較試験
本研究の目的はPFPS(膝蓋大腿痛症候群)に対して理学療法の有効性を
複数のアウトカムツールを使用して検証することである.
取り込み基準
①以下の1~6の動作の中で2つ以上当てはまる、膝前面または膝蓋骨後面に痛みがある
1.長時間座位
2.段差昇降
3.スクワット
4.ランニング
5.膝立て
6.ジャンプ
②非外傷性の発症
③25cm台からのステップダウンまたは両脚スクワットで膝蓋骨に圧痛あり
除外基準
①半月板および関節内の損傷
②靭帯の弛緩及び圧痛
③膝蓋腱・腸脛靭帯・鵞足の圧痛
④patellar apprehension sign 陽性
⑤オスグット・シュラッター病またはラルセン病
⑥膝関節の腫脹または股関節・腰椎の関連痛
⑦膝蓋骨脱臼の病歴あり
⑧膝蓋大腿関節の手術歴
⑨症状が1カ月以内
⑩VAS 3cm以内
⑪40歳以上
71名の患者がランダムに理学療法グループとプラセボグループに割り当てられた.
- 膝蓋骨テーピング
- 表面筋電図を使用した内側広筋のトレーニング
- 臀筋トレーニング
- ストレッチ(外側支持機構、ハムストリングス、股関節前面筋)
- ホームエクササイズ指導
上記の理学療法を1週間に1回を6週間実施した.
- プラセボテーピング
- プラセボ超音波
以下のアウトカムを6週間(介入後)の時点で評価
- VAS(最大時、通常時)
- Functional index questionnair(FIQ)
- Anterior knee pain scale(AKPS)
痛み/VAS(最大と通常)
理学療法グループで優位に改善した.
最大の痛みは介入前 7.0 介入後 3.0まで改善
効果量(エフェクトサイズ) 0.80
通常の痛みは介入前 4.5 介入後 1.0まで改善
効果量(エフェクトサイズ) 0.75
Functional index questionnair(FIQ)
両群間で優位差はなし.
Anterior knee pain scale(AKPS)
理学療法グループで優位に改善した.
効果量(エフェクトサイズ) 0.91
![](https://rehabilitation01.com/wp-content/uploads/2020/12/cats.jpg)
今回の研究を通して6週間の理学療法で痛みや機能障害が優位に改善することが
示唆されました.
しかし、アウトカムは短期的であり、フォローアップ期間がないため
長期的な効果は不明となっています.
PFPSは膝蓋骨のトラッキングの問題が関与しているという報告があるため
今回の介入では表面筋電図を利用した内側広筋のトレーニングや膝蓋骨のアライメントを
修正するようなテーピングが有効であると結論づけています.
![](https://rehabilitation01.com/wp-content/uploads/2020/12/cats-1.jpg)
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