Does adding mobilization to stretching improve outcomes for people with frozen shoulder? A randomized controlled clinical trial
ランダム化比較試験
肩関節周囲炎に対して関節モビライゼーションの有効性はいくつかの論文で報告されてる.関節モビライゼーションとホームエクササイズの併用や関節モビライゼーションと可動域訓練の併用の効果の報告は多数あるが、関節モビライゼーションとストレッチとストレッチ単独の研究はない.
よって今回の研究の目的は関節モビライゼーションとストレッチの併用により可動域、痛み、機能障害の改善に有効なのかを検証することである.
取り込み基準
①可動域(屈曲、外転、外旋)が健側より50%以上差がある
②レントゲンは異常なし
③症状が3カ月以上継続している
除外基準
①頚椎症性神経根など放散痛がある
②糖尿病
③胸郭出口症候群
④リウマチ
⑤骨折または腫瘍がある
⑥神経学的な筋力低下がある
⑦4週間以内にステロイド注射の経験がある
⑧腱板断裂
30名の患者はランダムに以下の2つ群に割り当てられた.
グループ①
関節モビライゼーション(30分)+ストレッチ(20分)+ホームエクササイズ
グループ②
ストレッチ(20分)+ホームエクササイズ
1週間に3回の理学療法を6週間行った.
肩甲上腕関節の離開(distraction)、尾側滑り( caudal glide)、後方滑り(posterior glide)、
前方滑り( anterior glide)をGrade IまたはIIで関節が弛緩したポジションで実施した.
徐々に制限された方向でGrade IIIとIVで耐えられる痛みの範囲で実施した.
20秒のストレッチ、10秒の休憩を以下の方向で10回行った.
- 屈曲
肩甲骨を固定した状態で屈曲方向のストレッチ - 外転(肩甲骨面)
肩甲骨を固定した状態で外転方向のストレッチ - 外旋(肩甲骨面)
肘を屈曲させた位置で外旋方向のストレッチ - 内旋(肩甲骨面)
肘を屈曲させた位置で内旋方向のストレッチ
1日2回 のストレッチと筋力運動を指導.
- 屈曲方向のストレッチ
- 外転方向のストレッチ
- 内旋方向のストレッチ(sleeper stretch)
- 後方関節包ストレッチ
- 肩甲骨内転筋トレーニング(ゴムチューブ使用)
- 外旋筋トレーニング(ゴムチューブ使用)
- 伸展筋トレーニング(ゴムチューブ使用)
- 壁・テーブルでのプッシュアップ
以下のアウトカムをベースラインと6週(介入後)、1年でフォローアップした.
Primary outcomes
- Disabilities of the Arm, Shoulder and Hand Score
- Constant scale:痛み、可動域、筋力を100点満点で評価
Secondary outcomes
- 可動域(屈曲、外転、外旋、内旋)
- VAS
関節モビライゼーションとストレッチを併用したグループでConstant scale、外転可動域、
外旋可動域に優位な改善を示した.この結果は1年後のフォローアップでも継続した.
今回の研究で関節モビライゼーションとストレッチの併用はストレッチ単独よりConstant scale、外転、外旋の可動域に有効であることが示唆された.
Disabilities of the Arm, Shoulder and Hand Scoreは有意差がなく、Constant scaleに優位な結果が示された推測としては、Disabilities of the Arm, Shoulder and Hand Scoreは主に日常生活の評価であり、可動域の評価が含まれていない点が考えられる.
今回の論文では肩関節周囲炎に対して関節モビライゼーションとストレッチの併用により
Constant scaleと可動域(外転、外旋)の改善に有効であることが示唆された.

コメント