タイトル
Effectiveness of end range mobilization with scapular mobilization in frozen shoulder
研究デザイン
ランダム化比較試験
目的
今回の研究の目的は肩関節周囲炎に対して肩甲上腕関節のモビライゼーショに加えて肩甲骨のモビライゼーショを併用することで可動域や機能障害の改善に効果的なのかを検証した.
方法
取り込み基準
①40~60歳
②肩関節周囲炎の診断がある
③可動域制限がある
除外基準
①胸郭出口症候群
②リウマチ
③末梢神経障害
④変形性肩関節症
⑤肩関節軟骨の損傷
⑥外傷または骨病変がある
研究デザイン
30名の患者はランダムに以下の2つの群に割り当てられた.
グループ①
肩甲上腕関節モビライゼーション+肩甲骨モビライゼーション
グループ②
肩甲上腕関節モビライゼーションのみ
1週間に1回 30分の理学療法を4週間行った.
アウトカム
以下のアウトカムをベースラインと4週(介入後)でフォローアップした.
- 可動域(屈曲、伸展、外転、外旋、内旋)
- Shoulder pain and disability index(SPADI)
結果
両群間で可動域、SPADIともに優位に改善した.
両群間の比較では肩関節伸展可動域以外のアウトカムは肩甲骨モビライゼーションを併用した
グループの方が優位に改善した.
考察
今回の研究で上腕骨最終域の位置での肩甲骨モビライゼーションの併用は痛みと機能障害の改善に有効であることが示唆された.また、Yangらの研究では上肢挙上に伴う肩甲上腕リズムと肩甲骨の後傾が重要であると示している.
解説
肩関節周囲の症例は肩甲帯の問題も多く併用しているため、肩甲帯モビライゼーションの併用により可動域や機能障害改善に有効であることが示唆された.
しかし、アウトカムは介入の前後でしか評価してなく、フォローアップ期間がないため
長期的なアウトカムは不明である点は考慮する必要がある.

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