肩関節周囲炎に対する肩甲骨モビライゼーションの併用の有効性スポンサーリンク 2020.10.31スポンサーリンクタイトルEffectiveness of end range mobilization with scapular mobilization in frozen shoulder研究デザインランダム化比較試験目的今回の研究の目的は肩関節周囲炎に対して肩甲上腕関節のモビライゼーショに加えて肩甲骨のモビライゼーショを併用することで可動域や機能障害の改善に効果的なのかを検証した.方法取り込み基準①40~60歳②肩関節周囲炎の診断がある③可動域制限がある除外基準①胸郭出口症候群②リウマチ③末梢神経障害④変形性肩関節症⑤肩関節軟骨の損傷⑥外傷または骨病変がある研究デザイン30名の患者はランダムに以下の2つの群に割り当てられた.グループ①肩甲上腕関節モビライゼーション+肩甲骨モビライゼーショングループ②肩甲上腕関節モビライゼーションのみ1週間に1回 30分の理学療法を4週間行った.アウトカム以下のアウトカムをベースラインと4週(介入後)でフォローアップした.可動域(屈曲、伸展、外転、外旋、内旋)Shoulder pain and disability index(SPADI)結果両群間で可動域、SPADIともに優位に改善した.両群間の比較では肩関節伸展可動域以外のアウトカムは肩甲骨モビライゼーションを併用したグループの方が優位に改善した.考察今回の研究で上腕骨最終域の位置での肩甲骨モビライゼーションの併用は痛みと機能障害の改善に有効であることが示唆された.また、Yangらの研究では上肢挙上に伴う肩甲上腕リズムと肩甲骨の後傾が重要であると示している.解説肩関節周囲の症例は肩甲帯の問題も多く併用しているため、肩甲帯モビライゼーションの併用により可動域や機能障害改善に有効であることが示唆された.しかし、アウトカムは介入の前後でしか評価してなく、フォローアップ期間がないため長期的なアウトカムは不明である点は考慮する必要がある.
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