整形外科クリニックで働いている理学療法士はわかると思いますが
何度か急性腰痛を繰り返している患者さんに頻繁に遭遇すると思います。
問診の中で腰痛歴を聞くと今回で2回目、3回目と初発の腰痛ではなく
腰痛の再発が多いような印象があります。
そこで今回は腰痛の再発予防にエクササイズは有効なのか論文をまとめたので
お伝えしたいと思います。
また本題に移る前に、急性腰痛の概要についても論文を踏まえて解説します.
急性腰痛はどのぐらいで改善する?
2003年 Pengel LHらのシステマティックレビューの報告によると
発症から1カ月以内で痛みと能力障害は半分以上改善すると報告しています.
職場復帰は8割以上の患者が1カ月以内に可能だったと報告.
2012年 da C Menezes Costa らのメタアナリシスの報告によると
多くの論文で6週間以内で痛みと能力障害が急激に改善すると報告.
その後は3カ月以内では概ね痛みと機能障害の改善が見られたと報告しています.
腰痛の再発率は?
2003年 Pengel LHらのシステマティックレビューの報告によると
1年以内の腰痛の再発率は66%~84%であると報告しています.
2017年 da Silva Tらのシステマティックレビューの報告によると
1年以内の腰痛の再発率は33%であると報告しています.
これらの論文から腰痛の再発は珍しいことではなく臨床でも度々、遭遇する
事例であることが分かります.
再発予防に理学療法は有効?
ここまでの内容を踏まえると
急性腰痛は1カ月~3カ月で改善するけど、再発しやすいということが分かりました.
そこで我々、理学療法士が腰痛予防に関わることで
腰痛再発の軽減や医療費の削減に関与できるのではないかと思い
再発予防の論文を調べました.
定期的なストレッチと体幹の筋持久力トレーニングで腰痛は予防できる?
エクササイズまたはエクササイズと患者教育の併用で腰痛リスクは減らせる?
まとめ
エクササイズをすることで腰痛発症のリスクが軽減できることが
分かりました.
今後、急性腰痛の症例には治療だけでなく、腰痛予防の観点からもアプローチ
できれば再発予防にも効果的だと思います.
引用文献
- Sihawong R el al .A prospective, cluster-randomized controlled trial of exercise program to prevent low back pain in office workers. European spine journal . 2014
- Shiri R el al.Exercise for the Prevention of Low Back Pain: Systematic Review and Meta-Analysis of Controlled Trials. American journal of epidemiology. 2018
- Pengel LH el al.Acute low back pain: systematic review of its prognosis. BMJ .2003
- da Silva T el al. Risk of Recurrence of Low Back Pain: A Systematic Review .The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. 2017
- da C Menezes Costa L el al. The prognosis of acute and persistent low-back pain: a meta-analysis. Canadian Medical Association journal. 2012
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