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シンスプリのリスクファクターは何か

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タイトル

Medial Tibial Stress Syndrome in Active Individuals:
A Systematic Review and Meta-analysis of Risk Factors

PubMed PMCID: PMC5435145

はじめに

シンスプリントはアスリートなどの運動選手に多い疾患であり、運動時に脛骨後内側に沿って痛みを有する.今回のシステマティックレビューではシンスプリントを3つの特徴で定義した.
①脛骨後内側に沿っての痛み②びまん性の痛み③運動に付随した痛みとした.
過去20年間でアメリカでは肥満の有病率が増加して、それに伴って2型糖尿病、心臓病、脳卒中
などの慢性疾患が増加している.これらを予防するために身体活動がシンスプリントなどのオーバーユースを引き起こす可能性がある.
今回の研究の目的はこれらを防ぐために横断研究、ケースコントロール研究、コホート研究を見つけてメタアナリシスを使用しシンスプリントの危険因子を特定することである.

方法

シンスプリントの定義を①脛骨後内側に沿っての痛み②びまん性の痛み③運動に付随した痛みとして、その定義に合った論文のフルテキストを2人ペアで論文を抽出した.

結果

最終的に22の論文が抽出され、27のリスク因子を特定しこれらを7つのカテゴリーに分類した.
1.身体組成、2.静的アライメント、3.歩行、4.運動習慣、5.既往歴、6.可動域、7.筋力

  1. 身体組成
    性別とBMIで有意差が認められた.性別は女性、BMIは大きいほどリスクが高まる.
    年齢、伸長、下腿周径に有意差はなし.
  2. 静的アライメント
    舟状骨落下に有意差が認められた.
    Q angle、脛骨内反、脚長差に有意差はなし.
  3. 歩行
    ランニング動作での足部外返しや歩行速度は有意差はなし.
  4. 運動習慣
    ランニング歴と週の走行距離は有意差なし.
  5. ランニングでの障害歴
    優位差が認められた.
  6. 可動域
    股関節外旋可動域に有意差が認められた.外旋可動域が大きいほどリスクが高まる.
    股関節内旋角度、内返し、外返し、足関節背屈は有意差なし.
  7. 筋力
    内返し、外返し、背屈の筋力に有意差なし

考察

22の研究論文からなるシステマティックレビューであり、最終的に27のリスクファクターを特定することができた.27のリスクファクターから優位差が認められた因子は全部で5つであった
(女性、BMI、舟状骨落下、ランニングでの障害歴、股関節外旋可動域).


女性がリスク因子になる要因は今現段階では不明であるが、Newmanらはランニング動作の運動学が関与しているのではと推測している.
8つの研究論文の舟状骨落下から5つの論文でシンスプリント群が舟状骨落下が優位に大きかった.
(シンスプリント群は6.0-7.7 mm、コントロール群は3.6-5.4 mm).

解説

まとめるとシンスプリントの危険因子は
①女性 ②BMI ③舟状骨落下 ④ランニング障害歴 ⑤股関節外旋角度
の5つが特定できました.
詳細はリンクを貼っているので読んでいたければと思います.

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