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シンスプリントに対する理学療法

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シンスプリントとは

シンスプリントとは下腿後面内側の筋群(後脛骨筋やヒラメ筋)の牽引により
骨膜または筋付着部に炎症が起きて、下腿内側に慢性的な痛みと圧痛が生じます.

主には長距離の陸上選手を中心にランニング動作が多いスポーツで生じる
オーバーユースが要因とされています.

臨床所見
  • 脛骨内側に圧痛所見あり
  • 脛骨内側に熱感などの炎症所見あり
  • 歩行やランニングで痛みあり
  • 片脚ジャンプテストで再現痛あり
診断方法

骨膜炎または筋付着部炎による痛みであるためレントゲン写真では
異常所見を見つけることはできません.
MRIにて筋・骨膜や骨髄に高信号領域が認められます.

臨床所見とMRI所見を総合的に評価して診断されます.

評価ポイント
  • 足関節の静的・動的アライメント
    舟状骨落下、Leg Heel Angleから回内タイプか回外タイプなのかを評価
  • 足関節・股関節の可動域
    荷重位での下腿前傾角度も忘れずに評価しましょう
  • パフォーマンスの評価
    フロントランジ動作などで骨盤や膝・足部のアライメントを評価
    骨盤が水平に保てているか、knee in & toe outしていないかなどを評価
理学療法
  • 炎症管理
    痛みを遷延させないためにまずは炎症管理を徹底します.
    アイシングや痛みが軽減するまでは安静にするなど患者指導をします.
  • ストレッチ
    オーバーユースにより主に後脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋、長趾屈筋、長母趾屈筋
    のタイトネスが認められた場合は徒手的にストレッチして牽引へのストレス
    軽減を図ります.
  • リリース
    ストレッチポールやフォームローラーを使って下腿前面と後面をリリースします.
  • 患部外トレーニング
    炎症期の場合は荷重位でのエクササイズよりは非荷重でのエクササイズが
    が適切だと思います.痛みが強い時期は股関節や体幹など患部外のトレーニング
    も併用して行いましょう.
  • インソール
    足部アライメント修正するためにインソールを使用してアライメントを是正します.
    インソールに関しては足部の状態によってどのようなインソールを使うべきか
    判断します.一般的には足部回内変形や舟状骨落下しているケースがシンスプリント
    になりやすいという論文が多いので内側縦アーチの形成や舟状骨パッドを挿入
    することで後脛骨筋のストレス軽減を図ります.

治療動作
参考文献
  • Reinking MF el al. Medial Tibial Stress Syndrome in Active Individuals: A Systematic Review and Meta-analysis of Risk Factors . Sports health.2017
  • Newman P el al. . Risk factors associated with medial tibial stress syndrome in runners: a systematic review and meta-analysis. J Sports Med. 2013
  • Galbraith RM. el al .Medial tibial stress syndrome: conservative treatment options. Current reviews in musculoskeletal medicine.2009

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