肩関節周囲炎に対する鍼治療と理学療法の併用の効果スポンサーリンク 2021.03.13スポンサーリンクタイトルAcupuncture for frozen shoulderPMID: 11773673研究デザインランダム化比較試験目的肩関節周囲炎に対して鍼治療は有効であると報告されている.しかし、これらの臨床研究はランダム化比較試験ではない現状がある.よって、本研究の目的は肩関節周囲炎に対する鍼治療の有効性をランダム化比較試験を用いて短期・中期の効果を検証することである.方法取り込み基準①肩関節周囲炎の診断あり②1カ月以上~12カ月未満の肩の痛み③可動域制限あり(屈曲と外転90°未満、外旋30°未満)④夜間時痛ありかつ、患側下の側臥位が困難除外基準①肩関節の外傷や手術歴②頚椎症性神経根症、麻痺、その他の神経学的所見あり③骨折、炎症性関節炎、消化器疾患、精神疾患、腫瘍④腱板損傷(Painful arc sign陽性)研究方法患者がランダムに2つのグループに割り当てられたエクササイズグループエクササイズ+鍼治療グループ患者の基礎情報は以下を参照肩関節周囲炎の発症期間はエクササイズグループ:7.1カ月±3.9カ月エクササイズ+鍼治療グループ:5.5カ月±1.6カ月エクササイズグループエクササイズグループは・愛護的なストレッチ(内外旋、内転、屈曲)・ホームエクササイズ指導(資料参照) 朝・昼・夜 各10回行うよう指導※週2回を6週間実施した.※1回の介入時間は30分とした.エクササイズ+鍼治療グループエクササイズグループ同様のプログラムに加えて週2回 6週間の鍼治療を実施.鍼治療はZhongping pointを選択.左肩関節周囲炎の場合は右、右肩関節周囲炎の場合は左に相反する鍼治療を行った.鍼は20分間保持して、その間に機能的な運動(屈曲、外転、内転など)を行った.アウトカム以下のアウトカムを開始時、6週(介入後)、20週で測定した.機能:Constant-Murley score (CMS)結果機能:Constant-Murley score (CMS)両群間で比較すると、12週時点ではエクササイズと鍼治療の併用グループで優位な結果を示した.6週時点では両群間で優位差なし.平均スコアで比較すると6週、20週ともにエクササイズ単独より鍼治療とエクササイズ併用の方が優位な結果を示した.解説今回は肩関節周囲炎に対してエクササイズと鍼治療の併用の有効性を検証した論文を紹介しました.結果としてはエクササイズと鍼治療の併用は短期・中期で肩関節機能の改善に有効であることが示されました.臨床で働いていると時折、患者さんから「鍼治療は効果ありますか?」と聞かれることがあります.そこで今回はこのような論文を紹介しました.今回の論文を踏まえると、理学療法と鍼治療の併用も効果的なのではと思います.
コメント