変形性膝関節症に対する股関節モビライゼーション

どのような膝OA患者に股関節モビライゼーションが有効かを
予測するクリニカルプレディクションルールです.

1. 股関節の牽引で痛みが誘発
2. 膝関節屈曲が122°未満
3. 股関節内旋が17°未満
4. 股関節または鼠径部に痛み・知覚異常がある
5. 大腿前面の痛み

Currierら2007より筆者作成

CPRで2つ以上当てはまれば股関節モビライゼーションを実施することでNRSが30%以上またはGlobal Rating of Change Score (GROC)が3以上改善する確率が68～97%まであがります.

なぜ膝OA患者に股関節モビライゼーションが効果的なのか
疑問に思う方もいるかもしれません.

論文著者によると膝OA患者の30%～40%が股関節OAも合併しており、股関節の機能障害を伴っていると考察しています.

注意点としては

• 研究デザインはderivation study(モデル作成段階)なので内的妥当性が不十分
• アウトカムは介入後2日以内に測定したため、長期的な効果は不明
• CPRが2つ以上陽性でも陽性尤度比は0.8-205.6と大きくばらつきがある

• Currier LL, et al. Development of a Clinical Prediction Rule to Identify Patients With Knee Pain and Clinical Evidence of Knee Osteoarthritis Who Demonstrate a Favorable Short-Term Response to Hip Mobilization. Physical Therapy. 2007