肩峰下インピンジメントに対する徒手療法の有効性スポンサーリンク 2021.01.17スポンサーリンクタイトルThe effectiveness of manual therapy in supraspinatus tendinopathyDOI: 10.3944/AOTT.2011.2385研究デザインランダム化比較試験目的本研究の目的は肩峰下インピンジメントに対して徒手療法の有効性を検証することである.方法取り込み基準①肩峰下インピンジメントまたは部分的な腱板断裂 (MRIで診断)除外基準①肩関節の外傷②肩関節不安定性③肩関節周囲炎の既往④肩鎖関節・肩甲上腕関節の問題⑤沈着性石灰腱板炎⑥理学療法を受けた症例(2年以内)研究方法77名の患者がランダムに3つのグループに割り当てられた.エクササイズグループ(Group 1)徒手療法グループ(Group 2)ホームエクササイズグループ(Group 3)患者情報は以下を参照介入内容全てのグループで共通して以下の治療を実施・筋力強化とストレッチ(菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋、回旋筋腱板)上記に加えてエクササイズグループは肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節のエクササイズを実施徒手療法グループは棘上筋に対してのDeep friction massage、橈骨神経ストレッチ、肩甲帯モビライゼーション、肩甲上腕関節モビライゼーション、PNFを実施ホームエクササイズグループは自主練習プログラムを実施※エクササイズグループと徒手療法グループは週3回 12週間の介入を受けたアウトカム以下のアウトカムを介入前と4週、12週(介入終了時)に測定した.VAS:疼痛(夜間時、安静時、運動時)可動域MMTADL評価:Modified American Shoulder and Elbow Surgeon’s (MASES) score結果痛み(夜間、安静、運動)全てのグループで介入前と比較して優位に12週時点での痛みは改善したがグループ間での優位差はなし.グループ1:エクササイズ グループ2:徒手療法 グループ3:ホームエクササイズ可動域全てのグループで優位に可動域は改善したが、群間での優位差はなし.MMT可動域同様に、全てのグループで優位に改善したが、群間での優位差はなし.MASES score4週時点では徒手療法グループが優位に改善.12週では各グループで優位差はなし.グループ1:エクササイズ グループ2:徒手療法 グループ3:ホームエクササイズ解説今回は肩峰下インピンジメントに対して徒手療法の有効性を検証した研究です.結果としては両群間で優位差はなく、全てのグループで痛み、可動域、筋力、機能が優位に改善を示しています.論文の著者は考察にて徒手療法グループで夜間時痛と機能スコアが他のグループより改善が早いと述べています.よって、短期的には徒手療法は有効ですが、長期的には徒手療法が他のエクササイズより優れているとは言えない結果となっています.
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