足関節内反捻挫に対する理学療法【徒手療法 vs ホームエクササイズ】スポンサーリンク 2020.12.20スポンサーリンクタイトルManual physical therapy and exercise versus supervised home exercise in the management of patients with inversion ankle sprain: a multicenter randomized clinical trialDOI: 10.2519/jospt.2013.4792研究デザインランダム化比較試験目的今回の研究の目的は足関節内反捻挫に対して徒手療法+エクササイズの効果を検証することである.方法取り込み基準①grade 1またはgrade 2の内反捻挫②16歳~60歳③NRS 3.0以上④Ottawa ankle rules陰性除外基準①徒手療法が禁忌②メディカルスクリーニング(腫瘍、骨粗鬆症、重度の血管障害、リウマチ等)③手術歴(遠位脛骨、腓骨、足関節、後足部)④骨折⑤NRS 3.0以下研究デザイン74名の患者がランダムに徒手療法+エクササイズグループと自主練習グループに割り当てられた.患者情報はこちらになります。HEP:ホームエクササイズグループMTEX:徒手療法+エクササイズグループ自主練習グループの内容・患者指導 炎症管理のためのアイシング、圧迫、挙上を指導・可動域訓練 背屈、底屈、内反、外反 各方向に15回 3set・筋力訓練 等尺性運動(背屈、底屈、内反、外反)、内在筋訓練(タオルギャザー)・荷重訓練 両脚でのカーフレイズ、スクワット・ストレッチング 腓腹や足底のストレッチ(長座位でタオルを使用)・バランス訓練 患側での片脚立位訓練・動的バランス訓練 不安定な板でのバランス訓練・機能的運動 歩行、ランニング、ホッピングなど上記の自主練習を1週間に1回を4週間実施した.徒手療法+エクササイズグループの内容・近位脛腓関節・遠位脛腓関節・距腿関節、距骨下関節・セルフモビライゼーション指導(外返し、荷重位での背屈)・ホームエクササイズグループと同様の自主練習指導徒手療法はgrades IIIからIVにかけてメイトランドの手技に基づいて実施.上記の理学療法を1週間に2回を4週間(8セッション)実施した.アウトカム以下のアウトカムを4週と6ヶ月でフォローアップした.プライマリーアウトカム・Foot and Ankle Ability Measure (FAAM) Activities of Daily Living Subscaleセカンダリーアウトカム・FAAM sports subscale・Lower Extremity Functional Scale(LEFS)・NRS・15-point global rating of change (GRC) scale結果Foot and Ankle Ability Measure (FAAM) Activities of Daily Living Subscale徒手療法グループで4週と6カ月ともに優位に改善を示した.FAAM sports subscale徒手療法グループで4週と6カ月ともに優位に改善を示した.Lower Extremity Functional Scale(LEFS)徒手療法グループで4週と6カ月ともに優位に改善を示した.NRS徒手療法グループで4週と6カ月ともに優位に改善を示した.15-point global rating of change (GRC) scale徒手療法グループの方が4週と6カ月ともに優位に改善を示した.解説今回の研究を通して徒手療法とエクササイズの併用により短期、長期ともに痛みと機能障害の回復に有効であることが示されました.また全てのアウトカムで統計学的に優位だけでなく臨床的優位性(MCID)も満たしているため、臨床への適応にも効果的であることが分かります.
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