The treatment of acute low back pain-
bed rest, exercises, or ordinary activity?
ランダム化比較試験
本研究の目的は急性腰痛に対してランダムに3つのグループに分けて治療の
効果を検証することである.
グループ1:ベッド安静(2日以内)
グループ2:ホームエクササイズ(体幹伸展、体幹側屈)
グループ3:患者指導(通常の活動を維持する)
取り込み基準
①急性腰痛・慢性腰痛の増悪(発症後3週間以内)
除外基準
①坐骨神経症状あり(神経学的欠損またはラセーグテスト60°未満)
②妊婦
③ガン
④腰椎圧迫骨折
⑤尿路感染症
186人の患者はランダムに3つのグループに割り付けられた.
患者のベースラインはこちらになります。

ベッド安静グループ
2日間の絶対安静(必要な活動以外)
セミファーラー位での姿勢を取るようにパンフレットで指導
エクササイズグループ
体幹伸展、体幹側屈を毎日各方向に10回実施するよう指導
疼痛が出ない程度でゆっくり行うよう指導された
生活関しては通常の活動を維持するよう指導
活動維持グループ
安静は避けて、可能な限り日々の生活を送るように指導
以下のアウトカムを3週と12週でフォローアップした
- NRS
- 病欠日数
- 仕事の機能障害
- SLR角度
- 腰椎屈曲(cm)
- Oswestry back-disability index(ODI)
- Health-related quality-of-life index
- 治療の満足度(0~10段階)
3週時点のアウトカム
エクササイズと比較して活動維持グループの方が優位に
病欠日数、痛みの持続期間、痛みの強さ、ODIスコアの改善がみられた.
3週間時点では仕事への復帰率は活動維持グループが優位に高かった.

12週時点のアウトカム
ベッド安静グループは活動維持グループと比較して
仕事復帰、痛みの強さ、腰椎屈曲角度、ODIスコアの改善が優位に遅い結果となった.
エクササイズグループは活動維持グループと比較して
仕事復帰、痛みの強さの改善が優位に遅い結果となった.

今回の研究を通して急性腰痛に対しては可能な限り活動を維持するように
アドバイスすることで仕事の欠勤日数、痛みの強さや痛みの持続時間、ODIスコア
がベッド安静やエクササイズと比較して優位に改善する結果となった.
アウトカム結果をまとめると
3週間と12週間ともに活動維持グループの方がベッド安静とエクササイズグループ
よりも仕事復帰や痛みの強さの改善が優位に高い結果となった.
今後、急性腰痛の患者様を治療する際は
不必要な安静は避けるようにアドバイスすることで痛みや仕事復帰への
改善が高くなことが示唆されました.

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