急性腰痛に対する理学療法【安静 VS エクササイズ VS 活動維持】スポンサーリンク 2020.12.20スポンサーリンクタイトルThe treatment of acute low back pain-bed rest, exercises, or ordinary activity?DOI: 10.1056/NEJM199502093320602研究デザインランダム化比較試験目的本研究の目的は急性腰痛に対してランダムに3つのグループに分けて治療の効果を検証することである.グループ1:ベッド安静(2日以内)グループ2:ホームエクササイズ(体幹伸展、体幹側屈)グループ3:患者指導(通常の活動を維持する)方法取り込み基準①急性腰痛・慢性腰痛の増悪(発症後3週間以内)除外基準①坐骨神経症状あり(神経学的欠損またはラセーグテスト60°未満)②妊婦③ガン④腰椎圧迫骨折⑤尿路感染症研究デザイン186人の患者はランダムに3つのグループに割り付けられた.患者のベースラインはこちらになります。ベッド安静グループ2日間の絶対安静(必要な活動以外)セミファーラー位での姿勢を取るようにパンフレットで指導エクササイズグループ体幹伸展、体幹側屈を毎日各方向に10回実施するよう指導疼痛が出ない程度でゆっくり行うよう指導された生活関しては通常の活動を維持するよう指導活動維持グループ安静は避けて、可能な限り日々の生活を送るように指導アウトカム以下のアウトカムを3週と12週でフォローアップしたNRS病欠日数仕事の機能障害SLR角度腰椎屈曲(cm)Oswestry back-disability index(ODI)Health-related quality-of-life index治療の満足度(0~10段階)結果3週時点のアウトカムエクササイズと比較して活動維持グループの方が優位に病欠日数、痛みの持続期間、痛みの強さ、ODIスコアの改善がみられた.3週間時点では仕事への復帰率は活動維持グループが優位に高かった.12週時点のアウトカムベッド安静グループは活動維持グループと比較して仕事復帰、痛みの強さ、腰椎屈曲角度、ODIスコアの改善が優位に遅い結果となった.エクササイズグループは活動維持グループと比較して仕事復帰、痛みの強さの改善が優位に遅い結果となった.解説今回の研究を通して急性腰痛に対しては可能な限り活動を維持するようにアドバイスすることで仕事の欠勤日数、痛みの強さや痛みの持続時間、ODIスコアがベッド安静やエクササイズと比較して優位に改善する結果となった.アウトカム結果をまとめると3週間と12週間ともに活動維持グループの方がベッド安静とエクササイズグループよりも仕事復帰や痛みの強さの改善が優位に高い結果となった.今後、急性腰痛の患者様を治療する際は不必要な安静は避けるようにアドバイスすることで痛みや仕事復帰への改善が高くなことが示唆されました.
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